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化学の巻↓ 理論化学(高校)

理論化学(9)大学入試対策[溶液の濃度、固体の溶解度]

投稿日:10月 5, 2021 更新日:

問題1 物質の溶解性の問題!

(問題)次の(1)~(5)の物質の溶解性について該当するものをA群から、その理由をB群からそれぞれ一つずつ記号で選べ。またあとの問いに答えよ。

(1)塩化ナトリウム(2)ヨウ素(3)スクロース(4)1-ペンタノール(5)アンモニア(6)炭酸カルシウム

A群(ァ)ヘキサンには溶けにくいが、水に良く溶ける。

(ィ)水には溶けにくいがヘキサンには良く溶ける。

(ウ)水・ヘキサンいずれにも溶けにくい。

(エ)水・ヘキサンいずれにもよく溶ける。

B郡(オ)イオン結合生の物質でイオンに水和が起こるため。

(カ)イオン間の結合力が強く、水和しても結晶格子をくずすことができないため。

(キ)共有結合の結晶で、結合エネルギーが大きいため。

(ク)分子性物質で、ヒドロキシ基に水和が起こるため。

(ケ)極性のある物質であるため。

(コ)無極性物質であるため。

(サ)親水基と親油基の両方をもつが、親油基の影響が親水基の影響を上回るため。

(解答)(1)アーオ(2)イーコ(3)アーク(4)イーサ(5)アーケ(6)ウーカ

(解説)(1)塩化ナトリウムはイオン結晶であり、水に入れるとナトリウムイオンと塩化物イオンに電離する。これらが極性溶媒である水に溶解するのはナトリウムイオンと塩化物イオンと水分子との間にクーロン力が働き、ナトリウムイオンと塩化物イオンが水和して水中に分散する。

(3)スクロースC12H22O11は極性のあるヒドロキシ基―OHが8個あるので水分子との間に水素結合が生じて水和されるので水に溶けやすい。

(4)1-ペンタノールは分子性物質でアルキル基(C5H11-)が親油基、ヒドロキシ基(-OH)が親水基である。直鎖のアルコールの場合、ヒドロキシ基が1個についてアルキル基の数が4以上になると親油基の影響を親水基の影響より強いので水に溶けにくくなる。逆にアルキル基の炭素数が3以下なら親水基の影響のほうが強うなる。

(5)アンモニアは極性分子で水素結合によって水和しやすいため。

(6)炭酸カルシウムはイオン結晶だがイオン結合の強さが大きいので水に溶けにくい(硫酸バリウム、塩化銀なども同じ)


問題2 固体の溶解度の問題!

(問題)下の図は硝酸カリウムと塩化ナトリウムの溶解度曲線である。これを見て次の問いに答えよ。いずれも有効数字は二桁(富山大改)

(1)80℃から60%の硝酸カリウム水溶液を冷却すると約何℃で結晶が析出しはじめるか。

(2)60℃の硝酸カリウム飽和水溶液100gを20℃に冷却すると何gの結晶が析出するか。

(3)60℃の硝酸カリウム飽和水溶液100gから水を蒸発させたとき20℃まで冷却すると40gの結晶が析出した。このとき蒸発させた水は何gか。

(解答)(1)約75℃(2)38g(3)60g

(解説)

(1)硝酸カリウム水溶液が100gあるとすると溶質の硝酸カリウムの質量は100×60=60g,溶媒の水は100-60=40g。水100gあたりに溶けている硝酸カリウム水溶液の質量は40:60=100:x → x=150g

溶解度曲線上で硝酸カリウムの溶解度が150となる温度を探す→約75℃

(2)60℃での硝酸カリウムの溶解度は約110。飽和水溶液100中に含まれる硝酸カリウムをXgとおくと

(溶液):(溶質)=(110+100):110=100:X → X≑52.4g

20℃での硝酸カリウムの溶解度は約30と読める。20℃で析出する結晶をYgとおくと

(溶液):(溶質)=(100-Y):(52.4-Y)

Y≑38g

(3)蒸発させた水をWgとすると結晶析出後の溶液は20℃の飽和水溶液なので

(溶液):(溶質)=130:30=(100-W-40):(52.4-40) →W=60g

塩化ナトリウムは高温でもあまり溶解度が高くないことは覚えておこう!


・問題3 モル濃度、質量モル濃度を求める問題!

(問題)密度1.40g/mLの硫酸水溶液は質量百分率で50.0%の純硫酸を含む。この硫酸水溶液(Ⅰ液)について次の問いに答えよ。H2SO4=98.0

(1)この硫酸水溶液(Ⅰ液)のモル濃度と質量モル濃度を求めよ。

(2)1.00mol/Lの硫酸250mLを作るのにⅠ液は何mL必要か。


問題4 固体の溶解度(水和物の問題1)!

(問題4)40℃における硫酸銅(Ⅱ)(CuSO4)飽和水溶液100gには硫酸銅(Ⅱ)がそれぞれa[g]含まれている。硫酸銅(Ⅱ)(CuSO4)飽和水溶液の式量をm[g]とする。硫酸銅(Ⅱ)の結晶(CuSO4・5H2O)を100gの水に溶かすとき40℃では何gの結晶を溶かすことができるか。文字式で答えよ。水の分子量は18とする。(関西医科大改)

(解答)と(解説)は↓


問題5 固体の溶解度(水和物の問題2)!

問題3.硫酸銅(Ⅱ)CuSO4の水に対する溶解度は60℃で40、20℃で20である。60℃の飽和水溶液300gを20℃に冷却すると、硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2Oは何g析出するか?(式量CuSO4=160,H2O=18,CuSO4・5H2O=250)

(解答)74.4g

(解説)

解答.まず60℃の℃飽和水溶液300g中にはCuSO4が何gとけているのかをまず考える。60℃でCuSO4は水100gあたりに40g溶けるので求めるCuSO4をXgとおくと、

Xg÷300g=40g÷140g→X≑85.7gのCuSO4が60℃の℃飽和水溶液300gにふくまれていることがわかった。つぎに20℃に冷却したときの析出するCuSO4・5H2Oの質量をWgとおくと、その中に含まれるCuSO4と5H2Oの質量をそれぞれ分けて考える。

CuSO4(無水物)→Xg×(160÷250)g

5H2O(水)→Xg×(90÷250)g

よって20℃の飽和水溶液300g中にはCuSO4はX×(160÷250)gがとけているので、

溶質÷飽和溶液=[85.7-X(160÷250)]÷(300-X)=20÷120 →X≑75.4g

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