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理論化学(4)大学入試対策[金属結合とその結晶]

投稿日:9月 24, 2021 更新日:

・問題1金属の性質について

(問題1)問1 金属には展性・延性があるがその理由を答えよ。

問2 銅の電気伝導性は温度が上昇すると低下する。その理由を答えよ。

(解答)

問1→金属原子の価電子は金属全体を自由電子として移動できるので、原子核の位置がずれても結合が切れにくく、力を加えると変形するからである。(原子の配列を変えても自由電子による原子同士の結合が保たれるからのような記述があれば○)

問2→温度が上がると原子の振動が激しくなり、自由電子の移動を妨げるからである。(自由電子によって電気や熱エネルギーが運ばれる)


問題2充填率を復習しよう!

固体を形成する原子が規則正しく配列しているとき、これを結晶という。金属の単体は固体では金属結晶をつくっているがその結晶構造には体心立方格子、面心立方格子、六方最密構造などがある。体心立方格子は立方体形をした単位格子の中心と各頂点に金属原子が配置された結晶格子である。原子を球とみなすことができ、各原子は最も近くに位置している原子と接すると考えて良いから単位格子の断面図は図1のように示される。この図においてLは単位格子の一辺の長さ,rは原子半径であり三平方の定理を用いてr=[√(ァ)/(イ)]Lが導かれる。結晶中の空間に占める原子自身の体積の割合を充填率「%」という。充填率は

充填率=[(原子1個の体積×単位格子1個に含まれる原子数)÷(単位格子1個の体積)]×100

この式を用いて体心立方格子の充填率を求めると(√(ウ)/(エ))π×100≑68%となる。

面心立方格子は立方体形をした単位格子の各面の中心と各頂点に金属原子が配置された結晶格子である。面心立方格子の充電率を体心立方格子の場合と同様に求めると (√(オ)/(カ))π×100≑74% となる。

問(ァ)から(エ)に当てはまる整数を示せ。(10以下の整数)

(解答)(ァ)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)、(カ)

(補足)0.68×100=68%

(補足)0.74×100=74%


・問題3化合物の問題を解こう!

(問題3)金属チタンと水素が反応すると有る化合物を作り、その結晶構造は下の図の1のような単位格子を持っている。この単位格子中ではチタン原子は図2のように面心立方格子と同じ結晶構造をとり水素原子は図3のように立方体を8等分してできる8つの小立方体の中心に存在している。原子量H=1.0,アボガドロ定数NA=6.02×1023/mol,√2=1.41,√3=1.73,√5=2.24 (東海大(医)改)

問1チタン原子の半径が2.0×10-8であるとき、この化合物の単位格子一辺の長さを求めよ。ただしチタン原子は互いに接しているとして水素原子の大きさは無視する。

問2この化合物の単位格子中にしめる水素原子の数から、この化合物の1cm3あたりに含まれる水素の質量(水素の密度[g/cm3]を求めよ。

(解答)問1r =2.0×10-8 cm→L=4r÷√2≑1.42× 10-8 cm  面心立方格子なので断面は下の図のようになる。

問2化合物の中には問題分から8個ふくまれている。まず水素原子一個の重さはアボガドロ定数を用いて求めることができるので1.0÷6.02×1023の式を立てることができる。かつ8個あるので(1.0÷6.02×1023)×8。これでこの単位格子に含まれる水素の質量をもとめる式はわかった。次に密度なのでこの求めた数値を体積で割れば密度が算出できる。L= 1.42× 10-8 cm なので単位格子の体積は ( 1.42× 10-83よって

(1.0÷6.02×1023)×8 ÷ ( 1.42× 10-834.64 [g/cm3] となる。


・問題4六方最密構造を攻略せよ!

(問題4)マグネシウムの結晶は下の図のような六方最密構造をとる。以下の問いに答えよ。Mg=24.31,アボガドロ定数 NA=6.02×1023/mol, ,√2=1.41,√3=1.73東京理大改)

問(1)結晶格子に含まれるマグネシウム原子の数は何個か?

問(2)マグネシウムの結晶格子は正六角柱でa=0.52nm,c=0.80nmであるとする。この結晶格子の体積[cm3]を求めよ。ただし1nm=1×10-9

問(3)マグネシウムの結晶の密度 [g/cm3] を求めよ。

(解答)問(1)→1/6×12(頂点)+1/2×2(面の中心)+3(内部)=6個

問(2)→結晶格子の体積を求めよとある。この正六角柱は体積は底面積×高さでわかる。まずは底面積を求める式を出そう。底面に着目すると正三角形が6こある。ということは一つの三角形の面積を求めてそれを6倍すればよい。いいかに導く式をのせる

問(3)結晶の密度は

(マグネシウム原子6個の質量)÷(単位格子の体積)で求めることができる。Mg1個の質量はアボガドロ定数を使って求める。Mg原子一個の質量24.3÷6.0×1023[g]でありこれが6個ある。

では密度を求めましょう。

(マグネシウム原子6個の質量)÷(単位格子の体積) = [6×(24.3÷6.0×1023 )]÷(5.61×10-22)≑0.43[g/cm3]

注意マグネシウムの密度は本当は1.76 [g/cm3] です。

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