化学の巻(高校化学) nao blog

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理論化学(2)大学入試対策[原子・電子配置・化学量]

投稿日:9月 21, 2021 更新日:

・問題1 原子と原子核について

(問題1)原子は電子と原子核から構成されている。原子核は電荷を持つ陽子と電荷をもたない中性子からできている。両者の質はほぼ同じであり、電子の(A)である。原子核中の陽子の数は元素ごとに決まっていて、この数を(B)といい、陽子と中性子の数の合計を(C)という。同じ元素であっても中性子の数が異なる原子のことを互いに(D)であるという。(D)の中で放射能を持つものを(E)といい年代測定に用いることがある。原子核周りの電子はいくつかの電子核を形成する。電子核は原子核に近いものから純にK殻、L殻、M殻、N殻と呼ばれている。それぞれの電子核に収容できる電子の最大数は原子核に近いものから純に(F)、(G)、(H)、(I)である。電子は原則として最も内側の殻から順に満たされていく。電子がいっぱいになった電子核を(J)という。元素の性質は電子配置の影響を強くうける。

<問1>本文中の(A)~(I)に適切な語句または数字を入れよ。(札幌医科大)

<問2>塩素とカリウムの電子配置を(例)にならって示せ。

↓解答および解説

(解答)問1(A)1840、(B)原子番号、(C)質量数、(D)同位体、(E)放射性同位体、(F)2、(G)8、(H)18、(I)32、(J)閉殻

問2 Cl(K2L8M7)、K(K2L8M8N1)

原子は電子と原子核から構成されている。原子核は電荷を持つ陽子と電荷をもたない中性子からできている。両者の質はほぼ同じであり、電子の(1840)である。原子核中の陽子の数は元素ごとに決まっていて、この数を(原子番号)といい、陽子と中性子の数の合計を(質量数)という。同じ元素であっても中性子の数が異なる原子のことを互いに(同位体)であるという。(同位体)の中で放射能を持つものを(放射性同位体)といい年代測定に用いることがある。原子核周りの電子はいくつかの電子核を形成する。電子核は原子核に近いものから純にK殻、L殻、M殻、N殻と呼ばれている。それぞれの電子核に収容できる電子の最大数は原子核に近いものから純に(2)、(8)、(18)、(32)である。電子は原則として最も内側の殻から順に満たされていく。電子がいっぱいになった電子核を(閉殻)という。元素の性質は電子配置の影響を強くうける。

(解説)陽子の質量(1.673×10-24)÷(9.109×10-28)≑1840


・問題2同位体と同素体の区別

(問題2)下のA群の語句(1)~(4)に対応するものをB群からそれぞれ二つ以上選び、それぞれの元素記号や分式で答えよ。必要があれば同じ物を二度以上用いてもかまわない。(関西医科大)

{A群}(1)同位体(2)同素体(3)同族体(4)同族元素

{B群]アセチレン、エタン、エチレン、オゾン、過酸化水素、酸素、重水素、臭素、水素、窒素、ブタン、フッ素

↓解答および解説

(解答)(1)1H、2H(もしくはD)、(2)O2、O3、(3)C2H6、C4H10、(4)F、Br

解説(1)同位体→陽子数は同じであるが中性子数が異なる原子を互いに同素体という。重水素が 2Hであり、デューテリウム(D)ともよばれ、元素記号Dと表せる。

(2)同素体→同じ元素でできた単体のうち性質が異なるもの。

(3)エタンとブタンはCnH2n+2で表すことができる鎖式飽和炭化水素いわゆるアルカンである。同じ一般式で表すことができる化合物群を同族体という。

(4)周期表で縦の列が族、フッ素と臭素はハロゲン(17族)。


・問題3放射性同位体について

(問題3)同位体に関する記述として最も適切なものを次の1~5の中から一つ選べ。

  1. すべての元素には複数の安定同位体があるので、その相対質量の加重平均を元素の原子量としている。。
  2. 放射性同位体がβ崩壊すると質量数が減少する。
  3. α粒子はヘリウムの原子核である。
  4. 放射性同位体の半減期は元素によらず一定である。
  5. X線は放射線ではない。

↓解答および解説

(解答)

(解説)1→ベリリウムやフッ素などは安定同位体が複数存在しないものもあるので×

2→原子核中の中性子が電子線(β線)を出すことで陽子に変わり原子番号は1増加するが質量数は変化しないので×

3→○

4→半減期は核種によって違う。

5→放射線にはα線、β線、中性子線のような高い運動エネルギーをもつ粒子線、γ線やX線のような波長の短い高エネルギーの電磁波があるので×

ここでα崩壊、β崩壊、γ崩壊についてもういちどおさらいするにゃ!。
・α崩壊→原子核がα線を放出しながら崩壊していく現象。α線とはヘリウム原子核のことなので、もとの原子核から陽子2個、中性子2減る。
・β崩壊→電子を放出して原子核が変化する現象。原子核から放出される電子の事をβ線という。たいていは原子核中の中性子が陽子に変化するので電子の放出がおこる。この場合、原子核の陽子と中性子の総数は変わらないが陽子は一つ増え、中性子の数が一つ減る。
・γ崩壊→原子核を安定させるため、余計なエネルギーをγ線として放出する現象。γ線は電磁波で陽子や中性子の数は変化しない。


・問題4周期表の基礎知識

(問題4)文章中の()にあてはまる語句を答えよ。

周期表はロシアの化学者(1)によって初めて作られた。当時知られていた約60種の元素を(2)の順に並べて、酸素や塩素と結合してできる物質の組成などの性質が周期的に変化する法則、すなわち(3)を見いだし、性質が似た元素が同じ列にくるように配列した周期表をつくった。現在の周期表では元素の(4)の順に配列している。元素は周期表の第(5)周期以降に現れる3~(6)族の(7)元素と、残りの(8)元素に分類することが出来る、ヘリウムを除く(8)元素では(4)の増加と共に(9)の数が周期的に変化するが、その数は(10)番号の一位の数と一致している。

(解答)

  1. メンデレーエフ
  2. 原子量
  3. 周期律
  4. 原子番号
  5. 11
  6. 遷移
  7. 典型
  8. 最外殻電子

周期表はロシアの化学者(メンデレーエフ)によって初めて作られた。当時知られていた約60種の元素を(原子量)の順に並べて、酸素や塩素と結合してできる物質の組成などの性質が周期的に変化する法則、すなわち(周期律)を見いだし、性質が似た元素が同じ列にくるように配列した周期表をつくった。現在の周期表では元素の(原子番号)の順に配列している。元素は周期表の第()周期以降に現れる3~(11)族の(遷移)元素と、残りの(典型)元素に分類することが出来る、ヘリウムを除く(典型)元素では(原子番号)の増加と共に(最外殻電子)の数が周期的に変化するが、その数は()番号の一位の数と一致している。


・問題5原子量の計算

(問題5)塩素原子には35Cl(相対質量35.00)と37Cl(相対質量37.00)の2種類の同位体が地球上に存在し、存在比は35Clが75.77%であり、37Clが24.23%である。また水素原子は3種類の同位体(1H,2H,3H)と、酸素原子の3種類の同位体(16O,17O,18O)とからなる水分子について、次の設問に答えよ。(奈良県立医科大)

(1)塩素の原子量を有効数字4桁で求めよ。

(2)35Clと37Clからなる塩素分子の地球上における存在比{%}を有効数字4桁で求めよ。

(3)構成原子の質量数の総和が異なる水分子は何種類あるか?

↓解答および解説

(解答)(1)35.48,(2)36.72%,(3)7種類.(4)7:4

(解説)(1)塩素の原子量は相対質量×存在比で求めることができるので35.00×0.7577+37.00×0.2423=35.48。ここで原子量を少し復習。元素を構成する各同位体の相対質量に存在比をかけて求めた平均値=原子量。

(2)塩素は二原子分子Cl2の形で地球上に存在しているので形としては( 35Cl35Cl )、 (35Clー37Cl)、 (37Cl35Cl )、 (37Cl 37Cl )の4種類である。設問をみると 35Clと37Clからなる塩素分子の地球上における存在比{%} を求めよとあるので (35Clー37Cl)、 (37Cl35Cl ) の二つからなる塩素の存在比を求める必要があるので0.7577×0.2423+0.2423×0.7577=0.36718→36.72%となる。

(3)これは数学でいう簡単な組み合わせのような考えをつかう問題である。まずはH2Oの中で水素原子の質量数に注目すると(1,1),(1,2),(1,3),(2,2),(2,3),(3,3)の6つの組み合わせを考えることができる。酸素の質量数に注目すると(16,17,18)の3つのいずれかとなる。次に質量数の総和を考えると最小値は(1,1,16)=18、最大値は(3,3,18)=24。なので18,19,20,21,22,23,24の7種類となる。

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・問題6(少し難)単分子膜に関する計算問題

少し難しめ(問題6)高級脂肪酸をシクロヘキサンに溶解して水面に滴下すると、下図に示すように高級脂肪酸分子が水面上に直立して一層に並んだ膜を形成する。この膜は単分子膜と呼ばれる。高級脂肪酸であるミリスチン酸(C13H27COOH)0.0241gをシクロヘキサンに溶かして100mLの溶液を調製した。水が張られた水槽上にビュレットを用いてこの溶液を10滴滴下したところ、面積229cm3の単分子膜を形成した。またビュレットから滴下した溶液1滴の体積は0.0214mlであった。(東海大)

問1 得られた単分子膜を形成しているミリスチン酸の分子の数を求め、有効数字3桁で答えよ。ただし滴下したミリスチン酸の分子はすべて単分子膜を形成する。原子量はH=1.00,C=12.0,O=16.0,アボガドロ定数Na=6.02×1023/molとする。

問2 得られた単分子膜の面積とそれを形成しているミリスチン酸の分子数から単分子膜中でミリスチン酸1分子が占める断面積[cm3]を求め、有効数字3桁で答えよ。

↓解答および解説

(解答) 問1→1.36×1017個、問2→1.68×10-15cm3

問1 分子の数(粒子の数)=物質量×アボガドロ定数で求めることができる。ということはミリスチン酸の物質量をまずは求めることが必要。ミリスチン酸の分子量は C13H27COOH =228。ミリスチンを0.0241gをシクロヘキサンに溶かしているのでこの溶液中に溶けているミリスチン酸の物質量は0.0241(g)÷228(g/mol)=1.057×10-4(mol)。じつはこの 1.057×10-4(mol) は100mLあたりのミリスチン酸の分子量である。1mL当たりに直すと1.057×10-6(mol/mL)である。問題分には10滴たらしとあり、1滴あたりの体積は0.0214(mL)なので0.0214×10=0.214(mL)のミリスチン酸を滴下している。よって 1.057×10-6(mol/mL) × 0.214(mL) =0.2262× 10-7 (mol)となりミリスチン酸の物質量を計算することができた。最初に述べた 分子の数(粒子の数)=物質量×アボガドロ定数 に代入すると

2.262× 10-7 (mol) ×6.02×1023(/mol)=13.617×1016≑1.36×1017

問2 問題分には面積229cm2の単分子膜を形成したと書かれていてこれは問1のミリスチン酸の分子数= 1.36×1017個 の断面積があつまった面積なので求める1個の分子が占める断面積をAとおくと

A× 1.36×1017個 =229 →A= 1.68×10-15cm3


・問題7化学反応の量的関係

(問題7)マグネシウムとアルミニウムの合金3.42gに十分量の塩酸を加えて、反応させたところ、標準状態で3.36Lの水素が発生した。これについて次の各問に答えよ。(Mg=24,Al=27,Cl=35.5,H=1.0,有効数字は二桁)群馬大改

問(1)各金属と塩酸との反応を化学反応式を求めよ。

問(2)この合金中のマグネシウムの質量パーセント濃度を求めよ。

問(3)反応液の溶液を蒸発乾燥させると合わせて何gの塩が析出するか。ただし塩は結晶水をもたず、加熱により分解しないものとする。

(解答)問(1)Mg+2HCl→MgCl2+H22Al+2HCl→2AlCl3+3H2問(2)84%、問(3)14g

(解説)問(2)合金中のMgをX[mol],AlをY[mol]とおくと、最初の合金の質量に関しては以下の式を立てることができる。24X+27Y=3.42・・①

次にH2の発生量(mol)に関しては各式の係数に着目するとMg: H2 =1:1,Al: H2 =2:3=1:(3/2)

X+ (3/2)Y=3.36/22.4・・②

①と②を計算するとX=0.12[mol],Y=0.02[mol]

よって合金中のMgの質量%濃度は[(0.12×24)/3.42]×100=84.2≑84%[%]

問(3)反応式の係数比に注目しよう。Mg: MgCl2 =1:1なので問(2)より0.12molの MgCl2 が発生する。 AlCl3 も同様に考えて0.02mol発生する。式量はそれぞれ MgCl2=95g/mol, AlCl3 =133.5g/molなので

0.12×95+0.02×133.5=14.07≑14[g]

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こんにちは!このブログを運営するnaoです。現在某国立地方大学大学院修士2年生です。工学研究科に属していて主に化学を中心に学んでいます。このサイトでは化学と関わりのある内容および本の書評を投稿していきます。

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危険物取扱免状(甲種)、公害防止管理者水質第一種