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理論化学(13)大学入試対策[化学平衡]

投稿日:10月 19, 2021 更新日:

問題1 平衡の移動に関する問題

(1)褐色の気体である二酸化窒素はある一定の温度・圧力のもとで2分子が結合した無色の気体である四酸化二窒素は化学平衡の状態にある。このときの熱化学方程式は次のように表される。

2NO2(気)=N2O4(気)+57.2kJ

問1化学平衡の状態とはどのような状態かを説明せよ。

問2先端をゴム栓でふさいだ注射器に二酸化窒素と四酸化二窒素の混合気体が入っている。温度を一定に保ちながら注射器のピストンをすばやく押し下げた。このときの注射器内の気体の色調の変化の様子を理由と共に書け。

問3一方、圧力一定で温度を下げた時、化学平衡の移動の方向について考察せよ。

問4容積可変の容器に二酸化窒素を1mol入れて373Kで圧力1.0×105Paに保ち平衡に到達させたところ四酸化二窒素が0.080mol生成していた。四酸化二窒素における生成反応のの平衡定数を求めよ。ただし気体はすべて理想気体として、有効数字二桁でもとめよ。

(2)黒鉛と二酸化炭素(気体)から一酸化炭素(気体)を生成する反応は可逆反応であり、熱化学方程式は次のように表される。

C(黒鉛)+CO2(気)=2CO(気)―172kJ

この反応が密閉容器内で平衡状態にあるとき次の(A)~(D)の操作を行った。平衡が右に移動する場合には○を、左に移動する場合には△を、移動しない場合には×を記せ。なお平衡の移動によって生じる反応熱は無視できるものとする。

(A)温度を上げる。

(B)圧力を高くする。
(C)体積を一定に保ちながらアルゴンを加える。
(D)全圧を一定に保ちながらアルゴンを加える。

(2)

(A) 温度を上げると吸熱方向に移動
(B) 気体の総分子数を減少させる方向
(C)× 体積一定の時にアルゴンを加えてもアルゴンは反応に関係しないので二酸化炭素や一酸化炭素の濃度(分圧)は変化しない。
(D) アルゴンを加えて全圧を一定に保つには体積を大きくする必要がある。二酸化炭素と一酸化炭素の分圧の和が小さくなるので気体の総分子数が増加する方向に移動する。

問題2 化学平衡の問題

窒素と水素からアンモニアを合成した。この反応の熱化学方程式は

N2+3H2=2NH3+92kJである。反応器に3.0molの窒素と9.0molの水素を入れ触媒の存在下で400℃に保ち反応させたところ平衡状態に達し全圧が1.0×107Paになり体積で50%のアンモニアを含むようになった。気体は全て理想気体として振る舞う物として次の各問いに有効数字二桁で答えよ。(茨城大改)

(1)平衡時の窒素、水素、アンモニアの物質量はそれぞれ何molか。

(2)反応により発生した熱量は何Jか。

(3)平衡時の混合気体(400℃,1.0×107Pa)の全体積は何Lか。

(4)この反応条件での平衡定数Kの値を求めよ。そ単位も書け。

問題3 反応速度と化学平衡および解離度の問題

(問題)(1)水素H2とヨウ素I2を密閉容器に入れて加熱すると正反応が速度v1でおこりヨウ化水素HIが生成する。同時に逆反応が速度v2でおこり一定温度で次の平衡が成立する。

v1

H2 + I2  ⇄   2HI

v2

正反応(右向きの速度)の速度v1が水素とヨウ素のモル濃度に比例するので速度定数(比例定数)をk1とするとv1=(a)である。逆反応(左向きの速度)の速度v2はヨウ化水素のモル濃度の(b)に比例するので速度定数(比例定数)をk2とするとv2=(c)である。平衡状態ではv1とv2には(d)の関係が成立して平衡定数(Ke)=(e)と表すことができる。

問1 上の文中の(a)~(e)に適する語句または数式を答えよ。

問2密閉容器に水素とヨウ素をそれぞれ1.0mol入れて400Kに保った。平衡が成立したとき0.20molの水素とヨウ素が残った。このときの平衡定数を有効数字二桁で計算せよ。

(2)PCl5は次の式に示すように解離して平衡に達する。

PCl5(気)⇄ PCl3(気)+Cl2(気)

ある温度、ある体積の平衡混合物中でPCl3の50%が解離していた。同じ温度で体積を4倍にすると解離度はいくらになるか。ただし√3=1.73とする。

問題4 圧平衡定数およい濃度平衡定数の問題

容積を任意に変えることができる反応容器に炭素(固体)1.2gと水0.9gを入れ

500K、1.0×105Paで次の①式に従って反応させた。この反応が平衡状態に達したとき、気体の全体積は10.0Lになった。(H=1.0,C=12,O=16)

C(固)+H2O(気)⇄ CO(気)+H2(気)・・①

(1)平衡時の各気体成分H2O,COおよびH2の分圧をそれぞれPH2O,PCO,PH2[Pa]として圧平衡定数Kpを表す式を書け。

(2)①式をもとに平衡時におけるH2O,CO,およびH2の各分圧を求めよ。

(3)(1)、(2)より①式の反応の圧平衡定数Kpと濃度平衡定数Kcをそれぞれ求めよ。

問題5 分配平衡の問題

(問題)互いにまざり合わずに2液層をなしている二つの液体に他の物質がとけるとき、その物質が両液相中で同じ分子として存在するなら一定の温度ではその物質の両液層中での濃度比は一定である。水と四塩化炭素とは互いに混ざり合わずに2液層をなす。これに25℃でヨウ素を溶かすと、水に対するヨウ素の濃度(C1)と四塩化炭素に対するヨウ素の濃度(C2)との比は85、すなわちk=C2/C1=85である。

問1 100mL中に0.100gのヨウ素を含む水溶液がある。これに20mLの四塩化炭素を加えてよく振り混ぜた後、静置して水層と四塩化炭素層に分離すると水層に残っているヨウ素は何gか。有効数字二桁で答えよ。ただしこのときの温度は25℃とする。

問2 問1の四塩化炭素20mLのかわりに10mLの四塩化炭素で2回、問1の操作を繰り返したときに水層に残っているヨウ素は何gか。有効数字二桁で答えよ。

(解答および解説)

ヨウ素は水よりも有機溶媒に溶けやすい。ヨウ素を互いにまじりあわない水と四塩化炭素に溶かすと両液層に分配されて平衡状態となる。一般に互いに溶け合わない2種の液体に他の物質が溶けるとき、その物質が両液層中で同じ分子として存在するならば温度・圧力が一定のとき両液層中でのその物質の濃度比(分配係数)は一定となる。この関係が分配の法則である。 k=C2/C1=85 というのはヨウ素が水よりも四塩化炭素に89倍も溶けやすいということである。




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