化学の巻(高校化学) nao blog

様々な本(小説や実用書)または化学(高校生向け)に関するトピックを紹介していきます。

化学の巻↓ 無機化学(高校)

無機化学(1)大学入試対策[非金属元素とその化合物 ]

投稿日:11月 12, 2021 更新日:

・問題1炭素について

 炭素は(あ)族の元素であり、その単体には(い)が知られている。これらのうち、(う)は層状構造をなしていて、一つの層内では炭素原子の(え)個の価数電子が(お)結合によって(か)形の網目構造をつくり平面的に広がっている。また層と層とは(き)力で結合しており、炭素原子の(く)個の価数電子のうちの(け)個は層状構造にそって動くことができるので(う)は電気の(こ)である。(さ)は宝石などに用いられる(い)で、炭素原子の(く)個の価電子が(し)の各頂点の方向に位置し、一個の炭素原子のまわりを(く)個の炭素原子が取り囲み、各原子が全て(お)結合によって結びついている。また別の(い)は構成粒子が規則的な配列をもたないので、(す)炭素と呼ばれており、気体分子を吸着しやすいので(せ)剤などとして用いられる。また近年発見された(い)のうち、C60,C70などの分子式をもつ球状分子は(そ)と呼ばれている。

 一酸化炭素は炭素の不完全燃焼で生じるほか、実験室では1価の弱酸である(a)(た)を濃硫酸で脱水して発生させる。一酸化炭素は血液中の(ち)と強く結合してその働きを失わせるので、きわめて有毒である。高温において強い(つ)性を示すので鉄の製錬などに利用される。二酸化炭素は常温・常圧で無色・無臭の気体で水に溶けると(て)を生じ、水素イオンを電離して弱酸性を示す。また(b)圧力を加えると容易に液体になる。この液体を容器から空気中へ急激に放出させると急激な膨張のために温度が下がり(と)となる。これを押し固めた物が冷却剤として使われる(な)である。二酸化炭素は実験室では(c)大理石に希塩酸を加えて発生させる。また水酸化ナトリウム水溶液に吸収される性質をもつ。(d)二酸化炭素を石灰水に通じると白色の沈殿を生じるが、(e)さらに二酸化炭素を通じると沈殿は溶解し再び透明な液体となる。これらの反応は、二酸化炭素の検出法の一つとして知られている。また二酸化炭素とアンモニアを高温・高圧で反応させると化学肥料に使用される(に)を生じる。近年、(f)大気中の二酸化炭素濃度は人間の活動により増加しており、これが地球上の(ぬ)の一因として考えられている。

問(1)(あ)~(ぬ)に当てはまる適当な数値および語句を答えよ。

問(2)(a),(c),(d),(e)を化学反応式で示せ。

問(3)(b)について二酸化炭素が濃縮しやすい理由を説明せよ。

問(4)(f)の主な原因を二つ答えよ。

解答及び解説↓

問(1)(あ)14(い)同素体(う)黒鉛(グラファイト)(え)(お)共有(か)正六角(き)ファンデルワールス(く)(け)(こ)良導体(さ)ダイヤモンド(し)正四面体(す)無定形(せ)脱臭(そ)フラーレン(た)ギ酸(ち)ヘモグロビン(つ)還元(て)炭酸(と)固体(な)ドライアイス(に)尿素(ぬ)温暖化

問(2)(a)HCOOH→CO+H2O

(c)CaCO3+2HCl→CaCl2+CO2+H2O

(d)Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O

(e)CaCO3+CO2+H2O→Ca(HCO3)2

問(3)二酸化炭素は直線形の無極性分子だが、部分的にOδ-=Cδ+=Oδ+のような極性があるので加圧することで分子間距離近くなると分子間力が静電気的な力によって働き凝縮が起こりやすくなるから。

問(4)化石燃料の大量消費

・問題2ケイ素について

周期表の14族に属する元素(ア)は地殻に酸化物として多量存在する。(ア)の単体は暗灰色の金属光沢をもつ結晶で高純度のものはわずかに電気伝導性がある(ィ)としての性質をもち、電子部品の材料などに用いられる。(ア)の酸化物は天然には石英などとして産出する。高純度のSIO2を融解して繊維化した物を(ウ)と呼ばれ、光通信に利用される。また、(a)石英の粉末を炭酸ナトリウムと混合して強熱し融解すると(エ)が生成する。(エ)の水溶液を長時間加熱すると(オ)と呼ばれる粘性の大きな液体が得られる。(b)(オ)の水溶液に塩酸を加えると白色ゲル状の(カ)が沈殿してくる。(カ)をよく水洗いしたのち乾燥すると(キ)が得られる。(c)(キ)は多孔質で水蒸気や他の気体をよく吸着するので乾燥剤などに使われる。

問(1)(ア)~(キ)にはいる適語を答えよ。

問(2)(a)(b)の変化を化学反応式で記せ。

問(3)(オ)の粘性が大きい理由を説明せよ。

問(4)(c)についてその理由を説明せよ。

問((5)ケイ砂(主成分SiO2)とコークス(C)との反応ではコークスの含有量の違いによって2通りの異なった反応が起こる。それぞれの化学式を記せ。

解凍および解説

問(1)(ア)ケイ素(ィ)半導体(ウ)光ファイバー(エ)ケイ酸ナトリウム(オ)水ガラス(カ)ケイ酸(キ)シリカゲル

問(2)(a)SIO2+Na2CO3→Na2SiO3+CO2

(b)Na2SiO3+2HCl→2NaCl+H2SiO3

問(3)長い鎖状のケイ酸イオンは動きにくく互いに絡み合い強い粘性を示すから。

問(4)シリカゲルは多孔質構造があり、その表面にヒドロキシ基が残っているので水素結語により水蒸気や他の気体をよく吸着するから。

問(5)コークスが少ないときSiO2+2C→Si+2CO

コークスが多いときSiO2+3C→SiC+2CO

二酸化ケイ素を高温で炭素を用いて還元し、一酸化炭素を発生する反応によってケイ素が作られる。二酸化ケイ素を水酸化ナトリウムと融解するとケイ酸ナトリウムが得られる。ケイ酸ナトリウムに水を加えてオートクレーブ中で加熱すると水ガラスが得られる。水ガラスの水溶液に塩酸を加えるとケイ酸が析出する。これを乾燥させたものがシリカゲルと呼ばれれ、内部に多数の微細な空間があり、単位質量に対する表面積が大きく、表面に気体や色素などの分子を吸着する。

ケイ砂はガラスなどのケイ酸塩工業の原料である。例えば、ケイ砂を炭酸ナトリウムや石化石などと融解してソーダ石灰ガラスが製造されている。ケイ砂とホウ砂を原料にしたホウケイ酸ガラスは熱膨張率が小さいためビーカーやフラスコなどの実験器具に使われる。ケイ砂と炭酸カリウム、酸化鉛(Ⅱ)を用いた鉛ガラスは屈折率が大きく分散度も小さいため光学レンズに、また
X線の吸収能が大きいためレントゲン撮影室の遮蔽窓に使われている。高純度の二酸化ケイ素を高温で融解後、冷やしてできる石英ガラスは耐熱ガラスとして使われる。さらに不純物を減らして透明度を高めた石英ガラスを屈折率の異なる二層構造の繊維状にしたものが光ファイバーで胃カメラなどの内視鏡や光通信に使われる。ガラスは構成粒子の配列が不規則で一定の融点を持たない。このような物質をアモルファスという。またケイ酸塩中のケイ素の一部をアルミニウムで置き換えたアルミノケイ酸塩は市販の洗剤に水軟化剤として配合されている。(水軟化剤→水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを取り込んで純度を下げる)。窒化ケイ素や炭化ケイ素を原料としたファインセラミックスは軽く硬く耐熱性に優れておりガスタービンや自動車エンジン部品などに用いられている。ジクロロジメチルシランやトリクロロメチルシランは水と容易に反応し、それぞれジメチルシラノールやメチルシラノールになる。これらのシラノールが縮合重合してできる樹脂をシリコーン樹脂またはケイ素樹脂といい、無機高分子化合物の一つである。これは耐熱性、耐候性、撥水性、電気絶縁性があり塗料、ワックス、電気絶縁体などに用いられている。

・問題3窒素について

人口爆発による食料の需要増大に対し、農産物の生産量を増大させることができたのは化学肥料を使用してきたことが大きな要因である。植物体は少なくとも40種類以上の元素が必要であるが、そのうち不可欠な元素として16種類があり、これを必須16元素と呼ぶ。このうち窒素、リン、カリウムはとくに不足しやすい元素で(ア)と呼ばれる。通常、窒素成分動植物の死骸が微生物により分解された(ィ)イオンや(ウ)イオンとして土壌中に存在する。窒素肥料は(ィ)イオンを含む(エ)や(オ)などが使用される。リン肥料として過リン酸石灰Ca(H2PO4)2+CaSO4や重過リン酸石灰Ca(H2PO4)2などがカリウム肥料としては(カ)などが使用されている。

 硝酸は工業的には3つの段階の反応を経て製造される。すなわち①アンモニアと空気の混合気体を、約800℃に加熱した白金網に通すことで酸化し、②生じた一酸化窒素をさらに酸化して二酸化窒素にしたあと③水と反応させることにより硝酸が得られる。ここで③の反応式は次式で表される。

3NO2+H2O→NO+2HNO3  

問1(ア)~(カ)に入る言葉を答えよ。

問2 上述の硝酸の工業的製法は何というか。名称を答えよ。

問3①、②の反応に対応する反応式を示すと共に全てのアンモニアが硝酸に変わるとしてこれら①~③の3段階の反応を一つにまとめた反応式を示せ。

問4 この方法で1.0kgのアンモニアを完全に酸化して得られる30%濃硝酸は何kgか。有効数字三桁で答えよ。原子量はH=1.0,N=14,O=16。

解答および解説

問1(ア)肥料の三要素(ィ)アンモニウム(ウ)硝酸

(エ)と(オ)(NH4)2SO4,NH4Cl,NH4NO3,CO((NH2)2この中から二つ

(カ)K2SO4,KClどちらか一つ

問2 オストワルト法

問3①4NH3+5O2→4NO+6H2O

NH3+2O2→HNO3+H2O

全体NH3+2O2→HNO3+H2O

問4 12.4kg

問題4リンについて

リンは自然界には単独で存在しないがリン酸カルシウム等の形で存在する。リン酸カルシウムにケイ砂SiO2とコークスCを混合し電気炉で加熱するとまずリン酸カルシウムとケイ砂が反応して(ア)ができ、次いで、(ア)がコークスによって(ィ)されてリンの蒸気が発生する。この蒸気を空気に触れないようにして水中に導くと(ウ)が得られる。リンには代表的な2種の(エ)が存在する。分子式のP4の(ウ)は、空気中で酸化されやすく自然発火するので(オ)に保存する。一方P4の(ウ)を空気を絶って約250℃に加熱してできる(カ)は空気中で安定に存在する暗赤色の巨大分子である。また(a)リンを空気中で燃焼させると(キ)が生成する。(キ)は潮解性のある白色粉末で(ク)や脱水剤として用いる。(b)(キ)に水を加えて煮沸すると(ケ)を生じる。(ケ)は通常、粘性のある液体でその水溶液は中程度の酸性を示す。

問1 (ア)~(ケ)に当てはまる言葉を答えよ。

問2 (a)、(b)に当てはまる言葉を答えよ。

解答および解説

問1 

(ア)十酸化四リン(イ)還元(ウ)黄リン(エ)同素体(オ)水中(カ)赤リン

(キ)十酸化四リン(ク)乾燥剤(ケ)リン酸

問2

(a)4P+5O2→P4O10

(b)P4O10+6H2O→4H3PO4

問1について

リン酸をケイ砂、コークスと混ぜ電気炉で反応させたとき↓

2Ca3(PO4)2+6SiO2→6CaSiO3+P4O10 ① Ca3(PO4)2がCaOとP4O10に分解しCaOはSiO2

と反応してCaSiO3に変化する。

P4O10+10C→P4+10CO ② 炉内はとても高温なので二酸化炭素ではなく一酸化炭素が発生する。

全体 2Ca3(PO4)2+6SiO2+10C→P4+6CaSiO3+10CO

問2について

 十酸化四リンと冷水反応したときはメタリン酸HPO3が発生する

P4O10+2H2O→4HPO3

・問題5酸素について

(問1)酸素とその化合物について次の分で誤りを含むものを二つ選べ。

(1)酸素は地殻中に最も多く含まれる元素で化合物として存在している。

(2)大気中に酸素分子として体積比約40%存在する。

(3)酸素は塩素酸カリウムに少量のマンガン(Ⅳ)を触媒として加え、加熱して得られる。

(4)酸素は無色・無臭であるが同素体のオゾンは淡青色で特異臭がある。

(5)Na2Oは塩基性酸化物と呼ばれる。

(6)SiO2は酸性酸化物と呼ばれる。

(7)酸素はアルミニウムの表面にAl2O3の被膜を作り内部を保護する。

(8)リン酸、過塩素酸、硫酸の中では硫酸が最も強い酸性を示す。

(9)酸素は6価の価電子をもち電子2個を取り入れて2価の陰イオンになりやすい。

(問2)(ア)~(ウ)に当てはまる語句を答えよ。また(1)~(4)式のうち、紫外線を吸収する反応はどれか答えよ。

1930年代、冷蔵庫の温度を下げる冷媒として使用されていたアンモニアと二酸化硫黄の有害性が問題になっていたがフロン(クロロフルオロカーボン)の導入により、パイプの腐食や危険なガス漏れを心配せずに済むようになった。ところが1970年代になるとフロンは過剰な紫外線から私たちを保護しているオゾン層を破壊することが指摘され、フロンの生産・使用は段階的に禁止されるようにいたった。オゾン層では(1)式から(4)式で示される反応が次々に起こって、オゾンの生成と分解が繰り返されており、それらの中には紫外線を吸収する反応が含まれている。

O2→O+O (1)  O+O2→O3 (2)  O3→O+O2 (3)  O+O3→O2+O2 (4)

フロンは化学的に安定で分解しにくいが、成層圏で紫外線の吸収により分解され、塩素原子が生じる。さらに塩素原子は(5)式で示すようにオゾンを分解し(6)式で示すように塩素原子が再生されオゾン濃度の減少が起こっている。

Cl+O3→(ア)+(ィ)(5)     、  (ィ)+O→Cl+(ウ)(6)

(解答および解説)

(問1) (2)と(8)

(問2) (1)と(3) (ア)O2(ィ)ClO(ウ)O2

問1

(2)大気中に酸素分子として体積比約20%存在する。

(3)2KlClO3→3O2+2KCl(触媒MnO2

(5)Na2O+H2O→2NaOH 水に溶かすと強塩基性を示すので塩基性酸化物

(6)SiO2+2NaOH→Na2SiO3+H2O 高温で塩基と反応する

(8)水素イオンの出しやすさHClO>H2SO4(第1電離)>H3PO4(第1電離)

問2 

(1)O2→O+Oは成層圏上部で紫外線(波長185~220nm)を吸収する

(2)O3→O+O2は成層圏下部で紫外線(波長210~330nm)を吸収する。

問題6硫黄について

排煙中の二酸化硫黄の除去には世界各地で豊富に産出する石灰石や生石灰が用いられる。石灰水が水と反応して生じた(a)は排煙中に大量に存在する(b)と反応して(c)になる。水に溶けにくい(c)は排煙中に大量に存在する(b)と反応して、水溶性物質の(d)に変わる。さらに(d)は二酸化硫黄を吸収して(e)になる。二酸化硫黄は無臭刺激臭の気体で酸化剤としても還元剤としても作用する。

SO2+(f)→(g)+4H++2e(1)

SO2+(h)+4e→(i)+2H2O (2)

例えば(ア)二酸化硫黄を塩酸酸性下で塩化鉄(Ⅱ)と反応させると塩化鉄(Ⅲ)が生じる。実験室で二酸化硫黄は亜硫酸水素ナトリウムに希硫酸を作用させるか(ィ)銅と熱濃硫酸の反応により得られる。

問1文中の(a)~(e)に当てはまる語句を答えよ。

問2文中のイオン反応式(1)と(2)を完成させよ。

問3(ア)の反応式を書け

問4(ィ)の反応式を書け。また発生した二酸化硫黄の捕集法を書き、その理由を示せ。

問5二酸化硫黄が原因となって酸性雨ができる仕組みを反応式を用いて150字程度で説明せよ。

問6亜硫酸カルシウムを空気で酸化してできるセッコウを化学式で示せ。

解答および解説

問1(a)水酸化カルシウム(b)二酸化炭素(c)炭酸カルシウム(d)炭酸水素カルシウム(e)亜硫酸カルシウム

CaO+H2O→Ca(OH)2

Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O

CaCO3+CO2+H2O⇄Ca(HCO3)2

Ca(HCO3)2+SO2→2CO2+H2O+CaSO3

問2 f:2H2O g:SO42- h:4H+ i:S

SO2+2H2O→SO42-+4H++2e(1) 還元剤SO2→SO42-

SO2+4H++4e→S +2H2O (2) 酸化剤SO2→S

問3SO2+4FeCl2+4HCl→S+4FeCl3+2H2O

還元剤:Fe2+→Fe3++e

酸化剤:SO2+4H++4e→S +2H2O②

①×4+②

SO2+4Fe2++4H+→S +4Fe3++2H2O

両辺に12Cl-を加えて整理すると

SO2+4FeCl2+4HCl→S+4FeCl3+2H2O

問4式:Cu+2H2SO4→CuSO4+SO2+2H2O

方法:下方置換

理由:二酸化硫黄は水に溶けやすく空気より重いので。

熱濃硫酸の酸化作用による

H2SO4+2e+2H+→SO2+2H2O ①

Cu→Cu2++2e

①+②式によって

Cu+2H2SO4→CuSO4+SO2+2H2O

問5 二酸化硫黄は水と次のように反応すると酸性を示す。

SO2+H2O⇄H++HSO3

また三酸化硫黄は水と反応して硫酸が生成する。

SO3+H2O→H2SO4

よってこれらの反応により大気中に二酸化炭素が溶解しただけの雨水より強い酸性を示すのが酸性雨の原因である。

二酸化硫黄は大気中で光や酸化力をもつ種々の物質による複雑な作用を受けて三酸化硫黄に酸化される。これが水に溶けると酸性雨の原因となる硫酸を生成する。

問6CaSO・2H2O

CaSO3+1/2O2+2H2O→CaSO4+2H2O

問題7硫酸について

(問1)硫酸の工業的製法(接触法)では硫黄を燃焼させて得られる二酸化硫黄を濃硫酸で乾燥してから接触室に導き触媒の酸化バナジウム(ⅴ)を用いて酸素と反応させる。生成した三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させ、後に希釈することにより濃硫酸を得る。この方法で硫黄4.0kgを完全に硫酸にすると98%硫酸が何kg得ることが出来るかを有効数字3桁で答えよ。原子量はH=1.0,O=16,S=32

(問2)濃硫酸は種々の特徴的な性質をもつ。ギ酸に濃硫酸を加えて加熱すると一酸化炭素が発生するのは(ア)作用を利用した反応である。また硝酸カリウムに濃硫酸を加えて加熱すると硝酸が発生するのは(ィ)を利用した反応である。また溶解熱が大きいため、濃硫酸を希釈する際は(ウ)。

(ア)~(ウ)に当てはまる語句を下の語群から答えよ。

<語群>脱水、酸化、不揮発性、吸湿性、水に濃硫酸を加える、濃流砂に水を加える

(問3)

(解答および解説)

(問1)12.5g(問2)ア:脱水、ィ:不揮発性、ウ:水に濃硫酸を加える。

問題8気体の発生法について①

気体A~の発生法についてそれぞれの反応式を答えよ。また下方置換で捕集するのは何かをA~Eの中からすべて選べ。

A:ギ酸を濃硫酸に加熱する。

B:銅に熱濃硫酸を加える。

C:銅に濃硝酸を加える。

D:硫化鉄(Ⅱ)に希硫酸を加える。

E:亜硝酸アンモニウム水溶液を加熱する。

F:炭酸カルシウムと希塩酸

G:塩化アンモニウムと水酸化カルシウム

H:水酸化カルシウム(CaH2)と水

(解答および解説)

4種類

A:HCOOH→CO↑+H2O

B:Cu+2H2SO4→SO2↑+CuSO4+2H2O

C:Cu+4HNO3→2NO2↑+Cu(NO3)2+2H2O

D:FeS+H2SO4→H2S↑+FeSO4

E: NH4NO2→N2↑+2H2O

F:CaCO3+2HCl→CO2↑+CaCl2+H2O

G:2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH3↑+CaCl2+2H2O

H:CaH2+2H2O→2H2↑+Ca(OH)2

CO,NO,N2,H2,O2→水上置換(水に溶けくいので)

SO2,NO2,H2S,HCl,CO2,Cl2→下方置換(水に溶けてかつ分子量が茎空気より大きいので)

NH3→上方置換(水にとけてかつ空気より分子量が小さいので)

(補足)加熱が必要な反応
(1)固体と固体を反応させる
(2)酸化剤MnO2の働きを強めるとき
(3)濃硫酸(不揮発性、酸化剤、脱水性の働き)を使用するとき

問題9気体の発生法②

図のキップの装置を使い硫化水素を発生させた。キップの装置を組み立てた後、空のキップの装置に①希硫酸および硫化鉄(Ⅱ)を入れた。必要量の硫化水素を②補修装置に集め、図の(う)を閉じた。(う)を閉じた後、硫化水素の発生は③自動的に停止した。

問1図に示した記号(あ)~(か)の全てを用いて下線部①の手順を文章で答えよ。

問2②として適切な報酬法を答えよ。またその方法を用いている理由を簡潔に説明せよ。

問3この実験において希硫酸の代わりに希硝酸を用いることができない。その理由を30文字以内で答えよ。

問4③の理由を50字以内で答えよ。

解答および解説

問1(え)から硫化鉄(Ⅱ)を(お)に入れる。コックを閉じた(う)を(え)にはめる。(あ)から希硫酸をゆっくりと注ぎ(か)と(い)の半分程度を希硫酸で満たす。

問2下方置換 硫化水素は水に溶けやすく、分子量が空気の平均分子量よりも大きいため。

問3硝酸は酸化力が強く、硫化物が酸化されてしまうから。

問4硫化水素がたまると、希硫酸の液面が下がるので硫化鉄(Ⅱ)と接触しなくなるから。

コックを開けると大気圧によって(い)にたまっていた希硫酸が(か)を経て(い)に入り硫化鉄(Ⅱ)と接触して気体が発生しはじめる。コックを閉じると(お)内の圧力があがり、液面を押し下げて硫化鉄(Ⅱ)と希硫酸がはなれ反応がとまる。

問題10ハロゲンについて

フッ素、塩素、臭素、ヨウ素は周期表の(ア)族に属し、ハロゲンと呼ぶ。ハロゲンは互いによく似た性質をもち、すべて最外殻電子核に(ィ)個の価電子をもつ。またハロゲン原子は(ウ)が大きく、電子を取り込んで(エ)価の陰イオンになりやすい。ハロゲン元素の単体は(オ)結合からなる二原子分子として存在する。例えば、実験室で塩素を作るには(a)酸化マンガン(Ⅳ)に濃塩酸を加えて加熱するか(b)さらし粉に塩酸を加えるとよい。ハロゲン元素の単体の性質を比較すると、原子番号の増減によって規則的に変化する。例えば、融点、沸点は原子番号の増加につれて(カ)くなるほか、①ハロゲン化物イオンになる傾向の強さも原子番号の順番に変化する。また(c)フッ素は容易に水と反応して気体を発生するが、(d)塩素は水に溶け、その一部が水と反応する。臭素も水に少し溶けるが、水とほとんど反応しない。ハロゲン化水素は無色、刺激臭でいずれも有毒な気体である。これらの沸点を比較すると(キ)だけが異常に高い値を示すが(キ)以外はハロゲン元素の原子番号が大きくなる従い、(ク)なる傾向がある。ハロゲン化水素の実験室的製法としては(e)(キ)はホタル石(主成分:フッ化カルシウム)に濃硫酸を加熱してつくられ(f)(キ)の水溶液はガラスの主成分である二酸化ケイ素と反応する。また(g)塩化水素は塩化ナトリウムと濃硫酸を加熱してつくることができる。ハロゲン化水素はどれも水に溶けやすく、②その水溶液は酸性を示す。

問1空欄(ア)~(ク)に適切な語句または数値を答えよ。

問2下線部(a)~(g)の化学反応式を答えよ。

問3下線部(a),(b)で発生する塩素の乾燥剤として適当でないものを次の中から選べ。

(a)塩化カルシウム、(b)酸化カルシウム、(c)濃硫酸、(d)十酸化四リン

問4下線部①の「ハロゲン化物イオンになる傾向の強さ」とはハロゲン元素の単体のもつどのような性質について述べたものか。またその性質は原子番号順にどのように変化するか説明せよ。

問5水に溶かした塩素水が、殺菌や漂白に用いられる理由を簡潔に説明せよ。

問6下線部②についてハロゲン化水素酸HF,HCl,HBr,HIとしての酸の強さの順に並べ、そのようになる理由を説明せよ。

解答および解説

問1(ア)17(ィ)7(ウ)電子親和力(エ)(オ)共有(カ)(キ)フッ化水素

(ク)

問2(a)MnO2+4HCl→MnCl2+Cl2+2H2O

酸化マンガン(Ⅳ)が酸化剤として塩酸を酸化している。酸化剤の強さとしては塩素>酸化マンガン(Ⅳ)なので加熱して塩素を追い出さないとこの反応を行うことはできない

(b)CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+Cl2↑+2H2O

成分中の次亜塩素酸イオンが塩化水素を酸化して塩素が発生する

(c)2F2+2H2O→4HF+O2

フッ素の酸化力は強いので水とも反応して酸素が発生する。

(d)Cl2+H2O⇄HCl+HClO

酸化力が少し弱い塩素ではフッ素のような反応は起こらない

(e)CaF2+H2SO4→CaSO4+2HF↑

弱酸の塩+強酸→強酸の塩+弱酸

(f)SiO2+6HF→H2SiF6+2H2O

二酸化ケイ素とフッ化水素(気体)の反応は

SiO2+4HF→SiF4↑2H2O

HFの水溶液との反応はSiO2が続いて2分子のHFと生成するので結果、ヘキサフルオロケイ酸H2SiF6が生成する。

(g)NaCl+H2SO4→NaHSO4+HCl

500℃以上の高温で加熱した場合↓

2NaCl+H2SO4→Na2SO4+2HCl

問3(b)酸化カルシウム

問4単体の性質→ハロゲンの単体を構成する原子は安定な希ガスの電子配置になろうとして、相手物質から電子を奪い取る性質(酸化力)を示す。

酸化力の強さ→原子番号が小さいほど原子半径が小さく変化し電子を取り込む力が強くなる。よって原子番号が大きくなるほど酸化力は弱くなる。

問5塩素が水と反応すると次亜塩素酸が次の式のように強い酸化力をもつので殺菌や漂白に使うことが出来る。HClO+2e+H+→Cl+H2O

問6HI>HBr>HCl>>HF

HFは分子間水素結合により会合しているためH+が電離しにくく、弱酸性を示す。残りはみな強酸性を示すが、ハロゲン化物イオンが大きくなるほど陰イオンとしての安定性が増し、H+を受け取りにくくなり、酸性が強くなる。

HFの分子間には水素結合が働いているのでこの結合を切るのに余計なエネルギーがいるので分子量が小さいにもかかわらず沸点が高い。

・問題11希ガスについて

希ガスに関する次の記述のうちから誤っているものを二つ選べ。

(a)希ガス元素は5種類あり周期表の18族に属する。空気中ではこれらの単体は全て単原子分子として存在している。

(b)ヘリウム(4He)の原子核と放射線の一つであるα線を構成する粒子は同じである。

(c)ネオンは低圧にして電圧をかけると緑色の光を発しネオンサインなどに利用されている。

(d)アルゴンは乾燥空気の体積の約1%を占めており窒素、酸素についで多く存在している。

(e)ラドンは放射性元素であり医療用の放射線源の一つである。

解答および解説

(a)と(c)

希ガス元素は7種類ある。ネオンに電圧をかけると赤橙色に発光する。

-化学の巻↓, 無機化学(高校)

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nao(管理人)

こんにちは!このブログを運営するnaoです。現在某国立地方大学大学院修士2年生です。工学研究科に属していて主に化学を中心に学んでいます。このサイトでは化学と関わりのある内容および本の書評を投稿していきます。

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