化学と本の巻~nao blog~

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化学の巻↓ 理論化学(高校)

緩衝液、塩の加水分解とは??(公式を導いていく)

投稿日:10月 18, 2020 更新日:

電離平衡についてまずは復習したい人は↓からいけるよ

・緩衝液とは?

弱酸とその塩または弱塩基とその塩を含む混合溶液で酸や塩基を加えてもpHがほとんど変化しない溶液を緩衝液といいます。

CH3COOHとCH3COONaの混合溶液を例に説明します。まずCH3COOHをH2Oに入れると一部がCH3COOとHに電離し次のような平衡がおこります。

CH3COOH ⇄ CH3COO + H

最初にCH3COOHが999個、CH3COOが1001個、Hが1個あると仮定すると①にCH3COONaをいれるとCH3COOとNaに完全分離し、水溶液中にCH3COOが増えるので上の式の平衡は左に移動し、CH3COOHはほとんど電離していない状態になる。

これにHを100個いれてみましょう。例えば塩酸を加えたりする操作です。平衡状態において右辺のHが増加するということは平衡が左に移動してHをほぼもとへ戻すことになる。

    CH3COOH ⇄ CH3COO + H

変化前  999 1001 1

変化後 ( H加)  +100

平衡移動 +100 ← ー100 ー100

総合   1099 901 1 結局変化前と同じ

次に、①にOHを100個いれましょう。HとOHで中和反応がおこりOH99個になります。しかし平衡が右に移動してHが補われ増加したOHを減少させてHをもとに戻す。

         CH3COOH ⇄ CH3COO + H

変化後(OH加)   999 1001 0

平衡移動      -100 100 100 OHを99個と反応し

                         水になる

総合       899 1101 1 結局変化前と同じ

緩衝液は最初に説明したように弱酸とその塩または弱塩基とその塩を含む混合溶液で酸や塩基を加えてもpHがほとんど変化しない溶液となります。

・弱酸+強塩基の中和反応における電離平衡とは?

酢酸と水酸化ナトリウムの中和反応における電離平衡を例にとって説明します。今回は酢酸の物質量が水酸化ナトリウムの物質量より多い場合です。

酢酸CH3COOHに水酸化ナトリウムNaOHを加えていくと中和反応がおこり塩の酢酸ナトリウムCH3COONaと水H2Oができます。最初の段階では酢酸のほうが多く水酸化ナトリウムがすべて使われます。するとCH3COOHとCH3COONaの混合水溶液ができました。これは緩衝液の所で学習したところと一緒です。では[H]の濃度を求めましょう。

       CH3COOH ⇄ CH3COO + H

反応前      C      C

変化量      ーx +x +x

平衡時      Cーx     C+x   +x

CH3COONa→CH3COO + Hとなっているにゃ。だからCH3COOが酢酸ナトリウムのモル濃度[mol/L]であるCと表しているにゃ。

CーxとC+xは弱酸がもともと電離によって減少する酢酸の量はすくないのでCーx≑C、C+x≑Cが成立する。

Ka=[H][CH3COO]/[CH3COOH]=C[H]/C

上がCH3COOH+NaOHの[H]濃度を求める式である。

・弱塩基+強酸の中和反応における電離平衡とは?

弱塩基としてアンモニアNH3、強酸としてHClの混合水溶液における[OH]の求め方を学習していきましょう。今回はアンモニアの物質量が塩酸の物質量より多い場合です。アンモニアと塩酸が反応すると塩化アンモニウムNH4Clが生じます。最初の段階ではアンモニアのほうがおおいので塩酸は全て反応して残らない。

     NH3+ HCl →  NH4Cl

中和後  C塩基  無し   C

[OH]の求めましょう。

     NH3      +H2O→    NH4     +OH

反応前  C塩基              C

変化量   -x          +x      +x

平衡時  C塩基-x≑C塩基(近似)   C+x≑C(近似)    x

電離平衡定数Kbより

Kb=[NH4][OH]/[NH3]=C[OH]/C塩基

上の式がNH3+NH4Cl溶液のOH濃度を求める式となる。

・弱酸+強塩基の完全中和とは?

酢酸の物質量が水酸化ナトリウムの物質量より多い場合を説明しましたが。酢酸と水酸化ナトリウムの物質量が等しくなるときのどのようになるのかをみていきます。結論等しくなると酢酸は完全に中和されますがその粋湯汚液は酢酸ナトリウムだけになります。しかし加水分解を引き起こすため中性にはなりません。

酢酸ナトリウムは水にとかすとCH3COOとNaにのぼ完全に分離する。またわずかにHとOHに電離するので以下のような反応がおこる。CH3COOとHで電離度の小さい酢酸分子になりOHが出てくる。

CH3COO + H-OH ⇄ CH3COOH+OH

OHが出ているので塩基性質となります。このように弱酸の塩の水溶液は塩基性をしめす。ではこのOHの濃度を求めましょう。OHの濃度を求めるのにだいじなのが加水分解定数Khです。

CH3COO + H2O ⇄ CH3COOH+OH

K=[CH3COOH][OH]/[CH3COO][H2O]

K[H2O]=[CH3COOH][OH]/[CH3COO]

K[H2O]をKhとする。ここで右辺に[H]/[H]をかける。

[OH]を求めましょう。[OH]をxとおき平衡時のそれぞれの濃度を考える。

      CH3COO + H2O ⇄ CH3COOH+OH

反応前     C

変化量     -x +x  +x

平衡時    C-x≑x(近似)      x x

Kh=x2/C → Kw/Ka=x2/C → x2=KwC/Ka

→x=[OH]=√KwC/Ka

・弱塩基+強酸の完全中和とは?

ここではアンモニアと塩酸を例にとって説明します。今回はアンモニアと塩酸の物質量が等しくなったときの場合を考えます。

結論等しくなったとき水溶液中にはNH4Clしか存在しませんがこの物質は加水分解反応をおこすので酸性を示します。

NH4 + H2O ⇄ NH3 +H3O

このように弱塩基の塩の水溶液は酸性を示すことになる。また同じように加水分解定数Khをもとめましょう。今回は途中のは省きます。

NH4 + H2O ⇄ NH3 +H3O

Kh=Kw/Kb

[H]の濃度を求めましょう。この濃度をxとおいてもとめます。

     NH4 + H2O ⇄ NH3 +H3O   

反応前     C

変化量     -x +x  +x

平衡時    C-x≑x(近似)      x x

過程はOHの濃度をもとめるときと一緒なので導式は省略します。

x=[H]=√KwC/Kb

・まとめ

-化学の巻↓, 理論化学(高校)

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