化学と本の巻~nao blog~

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化学の巻↓ 有機化学(高校)

繊維と染料(天然繊維・化学繊維・様々な染料)を復習しよう!!

投稿日:1月 30, 2021 更新日:

今回は繊維を取り上げるにゃ。アゾ染料に関しては下の記事あるにゃ!

・繊維について

・天然繊維について

植物繊維>植物繊維の代表が綿と麻になります。植物繊維はセルロースからできています。セルロースはβーグルコース分子がグリコシド結合により多数縮合した高分子化合物です。吸水性があり吸湿性も大きいです。セルロースなので酸で加水分解されます。塩基には強いです。

動物繊維>動物繊維の代表が絹と羊毛になります。タンパク質で構成されています。

・化学繊維について

<<再生繊維>セルロースなどの天然高分子を適当な溶媒に溶かしたのち、繊維として再生させたものが再生繊維となります。特にセルロースを原料とした再生繊維をレーヨンといいレーヨンの原料としては木材パルプが使われることが多いです。

銅アンモニアレーヨン)先ほどの植物繊維の所でセルロースの説明をしました。セルロースを溶かす溶媒がシュバイツァー試薬[水酸化銅(Ⅱ)+濃アンモニア]の場合、できる再生繊維は銅アンモニアレーヨンです。コートの裏地などに使われています。銅アンモニアレーヨンは別名キュプラともよばれています。

ビスコースレーヨン)パルプ(セルロース)を濃い水酸化ナトリウム水溶液に浸してアルカリセルロースとして二硫化硫黄と反応させる。これを薄い水酸化ナトリウム水溶液に溶かすとビスコースと呼ばれる粘性のある赤褐色のコロイド溶液になる。ビスコースを希硫酸に押しだしセルロースを再生させるとビスコースレーヨンと呼ばれる再生繊維を得ることが可能です。

<<半合成繊維>セルロースなどの天然高分子化合物を化学的に処理して官能基の一部を化学変化させて作られた繊維が半合成繊維です。今から半合成繊維の一種であるアセテート繊維の作りかたを解説します。セルロースのヒドロキシ基ーOH基をアセチル化してトリアセチルセルロースを1度作りゆるやかに加水分解してジアセチルセルロースにしアセトンに溶かし細い穴から噴射して乾燥させることで作れます。このアセテート繊維(半合成繊維)はセルロースの構造の半分が変わっています。。

<<合成繊維>>鎖状の合成高分子を繊維状にしたものを合成繊維という。合成繊維は縮合重合で得られるものと付加重合で得られるものがあります。

アクリル繊維アクリルニトリルがたくさん付加重合して結合したポリアクリルニトリルが主成分です。この合成繊維をアクリル繊維という。アクリル繊維は柔軟で軽く、羊毛に似た肌触りがあり保湿性に優れているのでセーターや毛布に用いられています。

炭素繊維)アクリル繊維を不活性ガス中において高温で炭化して得られる繊維を炭素繊維という。炭素繊維は別名カーボンファイバーとも呼ばれています。

ビニロン)酢酸ビニルを付加重合させポリビニル酢酸にしけん化およびアセタール化して水に溶けないように加工した合成繊維となります。ヒドロキシ基があるので吸水性があると覚えておきましょう。工程はまず酢酸ビニルを付加重合させてポリビニル酢酸ビニルとしこれを水酸化ナトリウム水溶液で加水分解するとポリビニルアルコール(PVA)を得ます。次にPVA水溶液を細孔から硫酸ナトリウム水溶液に押し出すと塩析がおこり繊維状に固まります。この繊維は水に溶きやすくホルムアルデヒドで処理(アセタール化)することでPVAのーOH基が減り水に溶けないビニロンを得ることが可能です。

ポリエステル)アルコールとカルボン酸が縮合重合しエステル結合しつながったものです。これがポリエステルです。特に覚えておいたほうがよいのがエチレングリコールとテレフタル酸がたくさん縮合重合してできたものがポリエチレンテレフタラートです。ペットボトルの原料として使われています。

ポリアミド系合成繊維)多数のアミド結合-NH-CO-で繋がった合成繊維をポリアミド系合成繊維といいます。ここでは2種類紹介しましょう。

ナイロン66 → ヘキサメチレンジアミンアジピン酸が交互にアミド結合で縮合重合しでできた合成繊維をナイロン66です。

ナイロン6 → カプロラクタムを開環重合した高分子化合物がナイロン6です。環状のアミド結合をもつ物質をラクタムといいます。開環重合は環状構造の単量体が開環して鎖状の高分子ができる重合のことです。

どうやったら作れるのかの工程をしっかり理解することが大事だにゃ。覚えるのは大変だけどもうひと踏ん張りだにゃ!

・染料の種類

・染料方法

(色素の発色)有機化合物が色を示すには分子中に発色の原因となる基(発色団)が必要である。発色団はいずれも不飽和結合をもつ。さらに発色団との相互作用によって色調を濃くしたり繊維への染色性を高まる基(助色団)も必要である。

(染色方法)繊維を染色するには繊維分子を隙間に入れ繊維と結合させることが大事である。この方法は染着と呼ばれている。

合成繊維の分類方法↓

(1)直接染料→水溶性の染料を繊維に染みこませて直接染色させる。簡単だが色落ちしやすい。綿、レーヨンなど

(2)酸性染料、塩基性染料→酸性や塩基性の基をもつ色素は繊維がもつ塩基性のアンモニア基-NH2や酸性のカルボキシ基-COOHとイオン結合して強く引きあう。絹、羊毛、ナイロンなど

(3)媒染染料→繊維を金属原子などで処理(媒染)することで繊維と化学的に結合できるようになり染色される染料である。天然繊維(絹、綿、羊毛)

(4)建て染め染料→疎水性の染料を還元させ水にとけるようにし繊維にしみこませたあと酸化させてもとにもどす方法。インジゴを用いる。絹、レーヨン

(5)分散染料→水に不溶で界面活性剤で水に微粒子状に分散させて染色する。合繊繊維など

・演習問題

問題()に当てはまる語句を答えよ。

セルロースは(1)が直鎖状に(2)重合して出来た物であり、多数の(3)基がある。綿には、セルロース分子が規則的に並んだ結晶領域と非晶領域がある。結晶領域は繊維に摩擦や熱に耐える性質を与え、非晶領域は吸水性や染色されやすさを与える。

繊維は素材の性質に応じて様々な方法で染色される。絹や羊毛の染色には塩基性基である(4)基と結合する(5)染料や、酸性基である(6)基と結合する(7)染料が主に用いられる。このとき染料の繊維の繊維の分子は化学結合の一種である(8)結合によって結びつく。繊維に直接染色する直接染料は主に綿の染色に用いられる。この染色法では染料の分子と綿の分子は(9)で結合するため結合力が弱く、色落ちに注意する必要がある。

天然繊維は木綿、麻などの(10)繊維と羊毛、絹のような(11)繊維の2つに分類される。化学繊維はセルロースなどの天然繊維を一度溶媒に溶解させ、紡糸した(12)繊維、天然繊維を化学的に処理し置換基を結合させ繊維状にした(13)繊維、石油などを原料にして得られる高分子化合物を繊維状にした(14)繊維などに分類される。

セルロースを適当な試薬を含む溶液に溶かしこれを再び糸状にしたものを(15)という。例えば、セルロースを水酸化ナトリウム水溶液で処理してから二硫化炭素と反応させると(16)と呼ばれる高粘度のコロイド溶液が得られるが、この(16)を細孔から希硫酸中に押し出して糸状にしたものが(17)である。また(18)を濃アンモニア水に溶かしたシュバイツァー試薬にセルロースを浸して得られるコロイド溶液を希硫酸中に引き出して糸状にしたものが(19)である。

(20)繊維の主なものにアセテートがある。アセテートの合成過程ではまず、(21)に無水酢酸と氷酢酸および少量の濃硫酸を作用させアセチル化する。生成物のエステル結合を加水分解し繊維状にしたものがアセテートである。

合成繊維の中でナイロン、ポリエステル、アクリル繊維は三大合成繊維と呼ばれている。代表的なナイロンにナイロン66がある。ナイロン66は(22)と(23)[22と23は順不同]の縮合重合により得られる高分子であり、(24)基と(25)[24と25は順不同]基から脱水することにより生じる(26)結合を有している。ナイロン6も(26)結合を有する高分子である。ナイロン6は環状化合物(27)の(28)重合により得られる。代表的なポリエステルにポリエチレンテレフタラート(PET)がある。PETは(29)と(30)の縮合重合により得られる高分子である。

  1. βーグルコース
  2. 縮合
  3. ヒドロキシ(-OH)
  4. アミノ-NH2
  5. 酸性
  6. カルボキシ-COOH
  7. 塩基性
  8. イオン
  9. フャンデルワールス力
  10. 植物
  11. 動物
  12. 再生
  13. 半合成
  14. 合成
  15. 再生繊維(レーヨン)
  16. ビスコース
  17. ビスコースレーヨン
  18. 水酸化銅(Ⅱ)、Cu(OH)2
  19. 銅アンモニアレーヨン(キュプラ)
  20. 半合成
  21. セルロース
  22. ヘキサメチレンジアミン
  23. アジピン酸
  24. アミノ
  25. カルボキシ
  26. アミド
  27. カプロラクタム
  28. 開環
  29. テレフタル酸
  30. エチレングリコール

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