化学と本の巻~nao blog~

様々な本(小説や実用書)または化学(高校生向け)に関するトピックを紹介していきます。

化学の巻↓ 無機化学(高校)

金属イオンの検出②(系統分析ができるようになろう!)

投稿日:10月 31, 2020 更新日:

沈殿に着目してきたけど次は沈殿を逆に溶解させる方法を説明するにゃ!

・沈殿を溶解させるには?

  1. 中和反応を利用する。
  2. 弱酸の生成反応の利用する。
  3. 錯イオン生成反応を利用する。
  4. 両性元素
  5. 熱湯を利用する。

以上の5つがおもに大事になってきます。では1から説明していきます。

中和反応を利用するは水酸化物の沈殿は塩基なので酸Hを加えると沈殿はOHを奪われるので結果として再溶解します。水酸化物はNaOHやCa(OH)2といった物質でこれらを水にいれるとOHを電離するので塩基性を示します。

(例)Fe(OH)3+3HCl →FeCl3 +3H2O

2の弱酸の生成反応の利用するは要するに弱酸の塩と強酸が出会うと、強酸から弱酸の塩にHが渡される反応がおこる弱酸の遊離を生かした反応の事です。

(例)CaCO3+2HCl → H2O+CO2+CaCl2

上の式をみると塩であるCaCO3は塩酸と反応して溶解しています。

弱酸の塩が強酸とであうときは気をつけるにゃ!

3の錯イオン生成反応を利用するはZn(OH)2の沈殿に大量のOHを加え続けると沈殿が再度溶解するようになり錯イオンができるこの反応を利用した物です。

(例)Zn(OH)2+4NH3→[Zn(NH3)4](OH)2

4の両性元素について説明します。両性元素は単体が酸と塩基の両方とも反応します。よって両性元素の沈殿は酸または塩基を加えても溶解します。両性元素はAl,Zn,Sn,Pbです。

両性元素は「あ あ すず なり」「Al Zn Sn Pb」と覚えよう。

5の熱湯を利用するはPbCl2(塩化鉛)の沈殿と一発で出てくるように覚えておこう。

・系統分析をしよう

 問題として複数の陽イオンが入った試料溶液中の陽イオンが何なのかを問われることが無機化学の問題の中でよくでてきます。ここではある例をだすので解いていきましょう。

まず塩化物イオンと反応し沈殿するのはAgとPb2+であることを思い出そう。次にそれらの沈殿に熱湯をかけると沈殿がとけてPbCl2からPb2+にとけます。AgClは熱湯をかけても溶けないのですがアンモニアを加えて錯イオンにします。それにクロム酸イオンを加えることで赤褐色の沈殿ができます。クロム酸イオンをくわえると基本は黄色の沈殿ができますがAgは赤褐色になるところを思い出しましょう。これでAgとPb2+の確認はできました。

希塩酸を加えている状態でH2Sを加えているので酸性下で硫化物イオンと反応するものを問われています。ここではイオン化列でいうSn2+より右側にあるものが硫化物イオンと沈殿します。よってCu2+が反応しえCuSとなり沈殿します。ここから本当にCu2+がなのかを確認していきます。まず沈殿をとかしCu2+に戻します。その後アンモニアを少量加え青色の沈殿ができるか確認します。つぎにアンモニアを大量に加えることで再度沈殿が溶けるかを確認して濃青色になればCu2+である確認をすることができます。次にH2Sを加えているのでFe3+が還元されて電子を一つうけとりFe2+となっています。よって酸化剤である希硝酸をくわえることで再度Fe3+に戻しています。煮沸するはシンプルにH2Sを揮発させてなくすためです。

ここでアンモニアと錯イオンをつくるものを復習しましょう。それは「Ag、Cu2+、Zn2+」です。あとOHと錯イオンを作るのは「Al3+、Zn2+、Sn2+、Pb2+」です。Fe2+とAl3+はアンモニアを加えると沈殿が出来ます。しかしそれに大量のNaOHを加えるとAl(OH)3の沈殿は錯イオンとなりとけます。それに希塩酸を加えアンモニアを加えるとAl(OH)3の沈殿が再度できてAl3+であると確認できます。Fe(OH)3は希塩酸で溶解させヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウムを加えて濃青色の沈殿ができればFe3+であると確認できます。アンモニアを加えて溶けている状態の[Zn(NH3)4]2+、Ba2+、NaにH2Sを加えるとここでは中性・塩基性条件で硫化物イオンとの反応はZnSなので白色の沈殿ができるので,Zn2+の確認ができます。炭酸イオンはNaとNaと反応せず沈殿を作らないのでよってBa2+は白色の沈殿ができます。Naは最後に炎色反応で黄色であることを確認しましょう。

このように系統分析は行っていきます。基礎的な知識を覚えるには大変ですが探偵の気分で頑張っていきましょう。

・演習問題

問題 ()にあてはまる語句を答えよ。

Ag,Cu2+,Fe3+の3種類の金属イオンを含む水溶液がある。この水溶液に希塩酸を加えると沈殿(1)が生じた。これをろ別し、ろ液に硫化水素を通じると沈殿(2)が生じた。この沈殿もろ別し、ろ液を蒸発皿で煮沸して硫化水素を除いたのち硝酸を加えて数分間煮沸後、アンモニア水を加えると沈殿(3)が生じた。

解答

  1. 塩化銀AgCl
  2. 硫化銅(Ⅱ)CuS
  3. 水酸化鉄(Ⅲ)Fe(OH)3

-化学の巻↓, 無機化学(高校)

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

コロイド溶液についての性質をしっかりと復習しよう!!

今回はコロイド溶液について解説するにゃ。この分野は気楽な気持ちで臨んでも大丈夫だにゃ。 目次 コロイド粒子とは?コロイドの沈殿について?コロイド溶液の性質とは?コロイドの分類?まとめ ・コロイド粒子と …

ハロゲン(周期表の17属) について[フッ素、塩素、臭素、ヨウ素]

ハロゲンの単体はすべて2個の原子からなる分子だにゃ。臭素はフッ素と塩素は気体で臭素は液体、ヨウ素は固体だにゃ!臭素より原子番号の小さいものは気体、原子番号の大きいものは固体だにゃ!。 目次 ハロゲンと …

酸と塩基についての性質を理解しよう!!

今回は酸と塩基について解説していくにゃ。化学基礎の中でも重要な分野なのでしっかり勉強して知識を身につけていくのが大事だにゃ! 目次 酸と塩基の性質とは?酸と塩基の定義とは?酸と塩基の強弱とは?まとめ演 …

アニリン(性質や合成、アゾ染料)をくわしく学ぼう!!

アニリンは性質や合成方法、アゾ染料の合成法がとわれやすいにゃ! 化学と本の巻~nao blog~芳香族炭化水素についてhttps://bolg-run-nao.com/about-aromatic-h …

電気分解の計算をしっかり学習していこう !

今回は電気分解の具体的な計算をしていくにゃ。電気と電子の関係性をしっかり学習し頑張っていこう!電気分解の復習をしたい人は下をチェックにゃ! 化学と本の巻~nao blog~電池と電気分解とは?http …

 


nao(管理人)

こんにちは!このブログを運営するnaoです。現在某国立地方大学大学院修士2年生です。工学研究科に属していて主に化学を中心に学んでいます。このサイトでは化学と関わりのある内容および本の書評を投稿していきます。

所持資格↓

危険物取扱免状(甲種)、公害防止管理者水質第一種