化学と本の巻~nao blog~

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化学の巻↓ 無機化学(高校)

金属イオンの検出①(沈殿)しっかり分類できるようにしよう!

投稿日:10月 25, 2020 更新日:

・沈殿生成の相性関係

水溶液中ではある組み合わせのある陽イオンと陰イオンが存在すると沈殿が生じる場合があります。それを覚えていきましょう。また化学基礎の所で説明していますが沈殿の中には大量の水酸化ナトリウムやアンモニアによって再溶解するものもあるのでそちらも覚える必要があります。今回は主に沈殿について説明していきます。

・沈殿する相手がいない陰or陽イオン

  • 硝酸イオン NO3
  • 炭酸水素イオン HCO3
  • アルカリ金属イオン Na、K
  • アンモニウムイオン NH4

ナトリウムやカリウムは水に良く溶ける分、沈殿ができないにゃ。硝酸イオン、炭酸水素イオンも沈殿する相手がいないことを覚えておこう!

・特定の相手と沈殿する陰イオン

  • 塩化物イオン Cl→Ag、Pb2+
  • 硫酸イオン SO42-→Ca2+、Ba2+、Pb2+

(例)硝酸銀水溶液に塩酸を加えると

AgNO3 + HCl →AgCl ↓+ HNO3  (↓は沈殿していることを示す)

(例) 塩化鉛水溶液に硫酸を加える

PbCl2 + H2SO4 → PbSO4↓ +2HCl

・沈殿する相手が多い陰イオン

沈殿する相手が多い陰イオンは逆に沈殿しない相手を覚えたほう良いです。

  • 水酸化物イオンOH ,酸化物イオンO2-→ ×Na、K、Ca2+、Ba2+

水酸化カルシウムや水酸化バリウムはどれも強塩基だにゃ。なので水にいれると直ぐに電離する=溶けるということなので溶けてしまうから沈殿する相手としてはふさわしくないにゃ。

  • 炭酸イオン CO32-,クロム酸イオン CrO42- ,シュウ酸イオン C2O42-→×Na、Kのみ

・特殊な沈殿の仕方の陰イオン

硫化物イオンには金属や液性によって沈殿するペアがある。

・イオンの色と沈殿および錯イオンの色

溶液中に含まれている金属イオンが何かを考えるときに水溶液と沈殿の色または錯イオンの色もヒントになってくる。ここでは問題に良く問われるものを紹介する。

銅(Ⅱ)イオンCu2+ 水溶液、沈殿、錯イオンも青と覚えましょう。

鉄(Ⅱ)、鉄(Ⅲ)イオン 鉄(Ⅱ)イオンは緑色をおびて、鉄(Ⅲ)イオンは黄褐色であかさびのいろである。また鉄の2価と3価がそろうと濃青色の沈殿ができます。

クロム酸イオンとニクロム酸イオン クロム酸イオンCrO42-は黄色ですが銀イオンとの沈殿は赤褐色になるので注意しましょう。またクロム酸イオンCrO42-を酸性にすると赤褐色Cr2O72-に変化する。

HgSによる沈殿 基本は硫化物の沈殿は黒いと覚えましょう。しかし例外があるのでしたにのせます。ZnSは白色、CdSは黄色、MnSは淡桃色となります。

ハロゲン化銀 ハロゲン化銀は光をあてると黒く変わります。

・演習問題

問題 ()にあてはまる言葉を答えよ。

Pbの硝酸塩を冷水に溶かし、この溶液に希塩酸を加えると白色沈澱(1)を生ずる。またPbの硝酸塩の水溶液に硫酸ナトリウム水溶液を加えても白色沈澱(2)を生ずる。

鉄(Ⅱ)イオンを含む水溶液に強塩基やアンモニア水を加えると沈殿(3)が生じる。一方鉄(Ⅲ)イオンを含む水溶液に強塩基やアンモニア水を加えると沈殿(4)が生じる。

銀(Ⅰ)イオンを含む水溶液にハロゲン化物イオンを加えるとハロゲン化銀を生じる。ハロゲン化銀のうちフッ化銀は水に対する溶解性が高いため沈殿を生じにくく塩化銀(5)色、臭化銀(6)色、ヨウ化銀(7)色は水に難溶性の沈殿を生じる。塩化銀や酒家銀は(8)によって分解し、銀が析出する。この性質を(9)性といい臭化銀は写真の(9)剤に利用されている。

解答

  1. 塩化鉛(Ⅱ)PbCl2
  2. 硫酸鉛(Ⅱ)PbSO4
  3. 水酸化鉄(Ⅱ)Fe(OH)2
  4. 水酸化鉄(Ⅲ)Fe(OH)3
  5. 淡黄色
  6. 感光

感光性があることもしっかり覚えておこう!

-化学の巻↓, 無機化学(高校)

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