化学と本の巻~nao blog~

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元素集 化学の巻↓

第7周期の全元素(フランシウム~ウンウンオクチウム)

投稿日:7月 9, 2021 更新日:

・フランシウム(Fr)について

フランシウムは自然界でも存在が確認されたが存在量はとても少ない。自然界で発生するフランシウムはウラン235が崩壊していく過程で生まれる。どの放射性同位体も寿命が短く、一番寿命が長いフランシウム223でも半減期が21.8分と短い。科学的性質はセシウムに似ている。

過塩素酸、ヨウ素酸塩、塩化白金酸塩には溶けないにゃ。

分類アルカリ金属
原子量(223)
地殻濃度極微量
色 / 形状銀白色(推定)/ 固体
融点 / 沸点27℃ / 677℃
密度 / 硬度1870 kg/m³ /-
酸化数+1
存在場所

・ラジウム(Ra)について

ラジウムの同位体はすべて放射性同位体で自然界にて発見されたのが4種類、人工的につくられたのが8種類ある。放射線が強すぎてかつ発がん性があるので放射線治療をする際はコバルト60(60Co)が代役として選ばれている。

分類アルカリ土類金属
原子量(226)
地殻濃度0.0000006ppm
色 / 形状白色 / 固体
融点 / 沸点700℃ / 1140℃
密度 / 硬度5000 kg/m³ /-
酸化数+2
存在場所

・アクチニウム(Ac)について

アクチニウムは銀白色の金属で同位体が30種類以上あるが自然界で発見されたのがアクチニウム227(227Ac)と228(228Ac)のみであり残りは全て人工的に作られている。自然界の存在量もとても少ない。アクチニウムは強い放射性を出すので暗い場所で青白く光る。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量(227)
地殻濃度微量
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1047℃ / 3197℃
密度 / 硬度10060 kg/m³ / 3
酸化数+3
存在場所

・トリウム(Th)について

トリウムはモナズ石、トール石などの鉱物に含まれていて地殻中にはウランの約5倍の量がある。すべての同位体は放射性同位体であるが代表的なトリウム232は半減期が約140億年と長いのが特徴である。またトリウムは銀白色の金属で塊状の時は酸化皮膜ができる。さらに粉末にすると激しく酸化反応がおこり発火してしまう。

二酸化トリウムは耐火性がいいので特殊るつぼ、ガス灯のマントル、アーク溶接の電極棒などに使われていたが最近ではあまり使われていない。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量232.0337
地殻濃度12ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1750℃ / 4789℃
密度 / 硬度11720 kg/m³ / 3
酸化数+2,+3,+4
存在場所

・プロトアクチニウム(Pa)について

単体のプロトアクチニウムは明るい銀白色の金属であり、空気中に放置すると酸化される。プロトアクチニウムはα線を放出して崩壊することでアクチニウムに変化する。自然界においてウラン鉱に含まれているが分離精製するのが難しく、たくさん得るには原子炉内でナトリウムに中性子を放射してつくる方法しかない。プロトアクチニウム231の半減期が長く、海底沈殿槽の年代測定に使われたことがある。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量231.03588
地殻濃度微量
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1840℃ / 約4030℃
密度 / 硬度15370 kg/m³ /-
酸化数+3,+4,+5
存在場所

・ウラン(U)について

ウランは最初に発見された放射性元素でありウランは化学反応を起こしやすく、希ガス元素以外の元素とはすぐに反応してしまう。ウランは核燃料として最も使われている。自然界で発見されているウランはウラン234(234U),235(235U),238(238U)の3種類である。ウラン235だけが核燃料に使われるが、ウラン全体の0.7%ほどしかウラン235はない。なので核燃料をつくるためにウラン235の濃度をあげる必要がある。ウラン235は中性子を放射することでウラン236に変化するがウラン236はエネルギー的にとても不安定ですぐに核分裂を起こし、このとき1個以上の中性子が発生するので発生した中性子が別のウラン235にぶつかれば、ウラン236になってまた核分裂がおこる連鎖反応が起こる。この現象をいかして莫大なエネルギーを生み出すことが可能になった。原子炉は核分裂で発生する中性子をコントロールして持続的に連鎖反応を起こしている。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量238.02891
地殻濃度2.4ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1132.3℃ / 4172℃
密度 / 硬度18950 kg/m³ / 6
酸化数+2,+3,+4,+5,+6
存在場所閃ウラン鉱、カルノー石、ウラン鉱など

・ネプツニウム(Np)について

ネプツニウムは超ウラン元素のなかで初めて人工的に作られた元素である。超ウラン元素とはウランより原子番号の大きい元素は寿命が短くて自然界で見つけることが難しく人工的に作られて物である。ネプツニウムはウラン238(238U)に中性子を当てることで1940年にアメリカの大学でつくられた。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量(237)
地殻濃度極微量
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点640℃ / 3902℃
密度 / 硬度20250 kg/m³ /-
酸化数+2,+3,+4,+5,+6,+7
存在場所

・プルトニウム(Pu)について

プルトニウム239(239P)に中性子を当てることで核分裂反応をおこし、かつウランよりも少ない量で核分裂反応を起こすことができる。なので原子炉内で大量に作られている。また体内に入るとがんを発生させるおそれが非常に強く危険な元素である。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量(239)
地殻濃度極微量
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点639.5℃ / 3231℃
密度 / 硬度19840 kg/m³ /-
酸化数+2,+3,+4,+5,+6,+7
存在場所

・アメリシウム(Am)について

単体のアメリシウムは銀白色でありウランやネプツニウムよりも展性や延性がある。アメリシウムは原子炉内でプルトニウム241のβ破壊によって生み出され、このときできるアメリシウム241はプルトニウム241より中性子を吸収しやすくプルトニウムの核分裂反応を止める不純物である。しかしアメリシウム241は安く取引できかつ強力α線をだすのでイオン化式の煙感知器に使うことがで可能である。

分類遷移金属・アクチノイド
原子量(243)
地殻濃度0
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1172℃ / 2607℃
密度 / 硬度13670 kg/m³ /-
酸化数+2,+3,+4,+5,+6
存在場所

・キュリウム(Cm)について

元素名の由来はキュリー夫妻である。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(247)

融点 / 密度

1337℃ /13300 kg/m³

酸化数

+2,+3,+4

 

・バークリウム(Bk)について

アメリシウム241にヘリウムイオンをぶつけて合成してつくることができた。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(247)

融点 / 密度

1047℃ /14790 kg/m³

酸化数

+2,+3,+4

・カリホルニウム(Cf)について

自発核分裂で強い中性子を発生する性質を利用して非破壊検査や地下資源探査などに使われている。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(252)

融点 / 密度

897℃ /15100 kg/m³

酸化数

+2,+3,+4

・アインスタイニウム(Es)について

世界初の水爆実験の灰の中から発見された。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(252)

融点 / 密度

860℃ / -

酸化数

+2,+3

・フェルミウム(Fm)について

発見のされ方はアインスタイニウムと同じ水爆実験である。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(257)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3

・メンデレビウム(Md)について

周期表をつくったメンデレーエフが名前の由来である。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(258)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3

 

・ノーベリウム(No)について

アメリカ、旧ソ連、スウェーデンがそれぞれ発見をしたといった元素である。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(259)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2,+3

・ローレンシウム(Lr)について

アメリカ・バークレー校と旧ソ連ドブナ研究所が発見。

分類

遷移金属・アクチノイド

原子量

(262)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3

 

・ラザホージウム(Rf)について

イギリスの物理学者ラザフォードが名前の由来である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(267)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3(推定)、+4

・ドブニウム(Db)について

旧ソ連の研究所がある都市、ドブナが名前の由来である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(268)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3(推定)、+4(推定)、+5

 

・シーボーギウム(Sg)について

アメリカの化学者であるシーボーギウムが名前の由来である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(271)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+4(推定)、+6

・ボーリウム(Bf)について

元素名は量子力学の確立に貢献した物理学者ボーアが名前の由来である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(272)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3,+4(推定),+5(推定),+7

・ハッシウム(Hs)について

ドイツの重イオン研究所が鉛208に鉄58を衝突させて合成した元素である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(277)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+3,+4,+6(推定),+8

・マイトネリウム(Mt)について

こちらもドイツの重イオン研究所で発見された。名前の由来はオーストリアの女性物理学者マイトナーである。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(276)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+1,+3(推定),+6(推定)

・ダームスタチウム(Ds)について

ドイツ、アメリカ、ロシアが競い合った元素。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(281)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2(推定),+4(推定),+6(推定)

・レントゲニウム(Rg)について

2004年にX線を発見した物理学者レントゲンが名前の由来である。

分類

遷移金属・超アクチノイド

原子量

(280)

融点 / 密度

- / -

酸化数

-1(推定),+3,+5

・コペルニシウム(Cn)について

名前の由来は天文学者コペルニクスである。

分類

亜鉛族・超アクチノイド

原子量

(285)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2(推定)、+4

 

・二ホ二ウム(Nh)について

日本・理化学研究所の森田博士らが発見されたとされた元素。ウンウントリウムは仮の名称だった。現在は二ホ二ウムとして周期表の中にある。

分類

超アクチノイド

原子量

(284)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+1,+3(推定)

・フレロビウム(Fl)について

合同原子核研究所の設立者フレロフが名前の由来である。

分類

超アクチノイド

原子量

(289)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2,+4(推定)

・モスコビウム(Mc)について

ロシアの合同原子核研究所とアメリカのローレンリバモア国立研究所が共同で合成した。

分類

超アクチノイド

原子量

(288)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+1,+3(推定)

・リバモリウム(Lv)について

こちらもロシアの合同原子核研究所とアメリカのローレンリバモア国立研究所が共同で合成した。

分類

超アクチノイド

原子量

(293)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2,+4

・テネシン(Ts)について

ロシアの合同原子核研究所にてバークリウム249にカルシウム48を衝突させて合成した。

分類

超アクチノイド

原子量

(293)

融点 / 密度

- / -

酸化数

-1(推定),+1(推定),+3,+5(推定)

・オガネソン(Og)について

ロシアの合同原子核研究所にてカリホルニウム249にカルシウム48を衝突させて合成した。

分類

超アクチノイド

原子量

(294)

融点 / 密度

- / -

酸化数

+2,+4,+6(推定)

(参考資料)元素の全てがわかる図鑑

-元素集, 化学の巻↓

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