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アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エーテル!?(性質や反応)

投稿日:11月 3, 2020 更新日:

アルコールは様々な反応性がありテストに出やすいから要チェックにゃ!

・アルコールの種類

 アルコールは炭化水素の水素原子をヒドロキシ基ーOHで置換した化合物の事です。名称は対応するアルカンの語尾が「ノール」に変わっただけです。

次による級による分類についてです。級とはアルコールのヒドロキシ基がくっついた炭素原子に他の炭素原子が何個くっついているかによる分類したものです。これだけではわかりづらいので下に載せます。

級だけでなくアルコールは価数による分類もあります。これはアルコール中にあるヒドロキシ基の数に注目です。

・エーテルとは?

酸素原子に2個の炭化水素基が結合した物質がエーテルとなります。

・アルコールの性質

アルコール特有の性質をしっかり覚えていきましょう。

まずアルコールの水への溶解性を見ていきます。一般にアルコールは炭素原子の数が増加すると疎水性が増すので水に溶けにくくなっていきます。

次にアルコールの沸点についてみていきます。ここでは分子同士をつなぐ結合を考えていくと良いです。アルコールはヒドロキシ基をもつので分子間に水素結合があります。これは通常の分子間力よりはるかに強いです。よって同じ程度の分子量をもつ炭化水素やエーテルと比較して沸点は高くなります。

・アルコールの反応

アルコールは様々な試薬と反応性があります。一つずつ説明していきます。

まずは金属ナトリウムNaをアルコールに加えたときの反応です。ナトリウムはイオン化傾向から電子を出しやすいです。するとアルコールはナトリウムと反応して水素を発生します。

R-ONaのようなアルコールのーOH基の水素原子がナトリウム原子に変わった物質をナトリウムアルコキシドとよぶ。例えばエタノールC2H5OHはナトリウムエトキシドC2H5ONaとなります。ここで注意点です。エーテルはヒドロキシ基をもたないのでナトリウムと反応しません。

次のアルコールの反応性として濃硫酸を加えて加熱および脱水したときの反応を説明します。これはアルコールに含まれている炭素数に着目です。

<アルコールの炭素数が3個以上の場合>

アルコールの濃硫酸を加えて加熱すると1分子のアルコールから1分子の水が奪われ、二重結合C=Cをもつアルケンが生成します。

<アルコールの炭素数が2個の場合>

アルコールの炭素数が2個の場合は反応温度が大事になってきます。具体的には約160~170℃のときと約130℃のときで変わってきます。約160~170℃のときは1分子のエタノールから1分子の水が脱水します。ようは分子内で脱水します。これを脱離反応といいます。一方で約130℃のときは2分子のエタノールが協力してようやく1分子の水が脱水します。ようは分子間で脱水するということです。これを縮合反応といいます。

<アルコールの炭素数が1個の場合>

メタノールに濃硫酸を加え加熱すると分子間で脱水(縮合反応)がおこります。

次にアルコールに酸化剤を加えた場合説明します。これは第一級アルコール~第三級アルコールと種類によって違います。この反応もテストに出やすいので非常に大事です。ではでは第一級アルコールに酸化剤を加えた場合から見ていきましょう。

<第一級アルコールに酸化剤を加えた場合>

まず第一級アルコールの2個の水素原子が奪われるてアルデヒド基ができます。さらに酸化剤によって水素と酸素がくっついてカルボキシ基ができます。この流れをしっかり覚えましょう。

<第二級アルコールに酸化剤を加えた場合>

二個の水素原子が酸化剤によって酸化されることで奪われケトン基に変化します。ここで注意があり水素がなにので酸素が入れずこれ以上の酸化剤による変化は起こりません。

第三級アルコールは酸化する際に奪われる水素原子が1個しかないので酸化されません。

・アルデヒドの性質と反応性とは?

 アルデヒドといえば還元性があるこれが鉄板です。言い換えると電子を反応する相手に渡しやすいということです。これはアルデヒドがCHOーをもつ物質ので酸化されやすいことからきています。アルデヒドは反応する相手に電子を与えやすいと覚えた方がわかりやすいとおもいます。ということはイオン化傾向の小さい金属イオンと出会うと反応しやすいです。

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いまからアルデヒドの代表的な反応について解説します。

一つ目は銀鏡反応です。アンモニア性硝酸銀水溶液にアルデヒドを入れると、銀イオンが還元され=電子を受け取り銀が析出します。これにより容器の内側に銀が析出してまわりのようすが銀のようになります。この反応を銀鏡反応と呼びます。

二つ目はフェーリング溶液の還元についてです。フェーリング液は硫酸銅、水酸化ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウムの混合液で構成されています。色は濃青色です。フェーリング液にアルデヒドを加えると銅イオンが電子を受け取り酸化銅が析出します。この酸化銅は赤色なので色から反応がおこったかを判断することができます。

・ケトンの性質とヨードホルム反応

 ケトンは還元性はありません。ケトンのなかでアセトンケトン基にメチル基が結合したアセチル基をもちこれはヨードホルム反応を起こします。アセトンやアセトアルデヒドに水酸化ナトリウム水溶液とヨウ素を加え暖めるとヨードホルムCHI3の黄色沈殿を生じる。この反応がヨードホルム反応です。アセチル基を検出するのに利用します。

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ホルムアルデヒドといったアセチル基をもたないアルデヒド基はもつものはヨードホルム反応をおこさないことに注意しましょう。

・カルボン酸の性質について

 カルボキシ基ーCOOHをもつものがカルボン酸です。カルボン酸なので酸性を示します。酸の強さは炭酸より強いです。代表的なカルボキシ基をもつ物質として、酢酸CH3COOH、ギ酸HCOOH、乳酸C3H6O3があります。

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・カルボン酸の脱水反応

酢酸の分子間脱水

酢酸と十酸化四リンと一緒に加熱すると分子脱水(縮合)反応が起こるので無水酢酸(CH3CO)2Oが生成する。

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ジカルボン酸の分子内脱水(脱離)

ジカルボン酸のジは2という意味でその名の通り、一つの分子の中にカルボキシ基が2つあります。実はジカルボン酸のなかで二重結合をもつ不飽和ジカルボン酸の場合はジスが頼み脱水します。トランス型は脱水しないことに注意しましょう。

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芳香族のジカルボン酸の場合はオルト位で結合している時のみ加熱で脱水します。パラ位、メタ位では脱水しません。

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逆に酸無水物に水をかけるともとのカルボン酸に戻ります。

・エステルとは?

 エステルは分子中にエステル結合ーCOOーをもつ化合物の事です。

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エステルの例としてギ酸エチルHCOOC2H5、酢酸ペンチルCH3COOC5H11が挙げられます。

・エステル化とは?

 エステル化はカルボン酸とアルコールに濃硫酸を加え加熱することで脱水縮合反応がおこる反応のことになります。下の反応はカルボキシ基からOH、アルコールのヒドロキシ基からHがとれてH2Oができます。

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・エステルの加水分解について

エステルは上に示すように可逆反応です。ということはエステルをカルボン酸とアルコールに分解可能です。ここでは2パターン説明します。

酸を用いたパターン

エステルに希硫酸を加え加熱することで加水分解反応がおこります。濃硫酸のときとは違います。

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塩基を用いたパターン

エステルの加水分解は水酸化ナトリウム水溶液を加え熱することで反応が可能です。このときエステルの加水分解とカルボン酸と水酸化ナトリウムの中和反応の二つがおこっており下には二つをまとめた物を示します。

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・演習問題

問題1()にあてはまる語句を答えよ。

 一般にアルコールの水への溶解度は(1)が小さく、分子中の(2)の数が多いほど大きくなり、(3)の部分が大きくなるにつれて低くなる。アルコールが水に溶けるのは両者が分子間の水素結合によって引き合うためである。その原因は(2)の(4)原子と(5)原子間の(6)の違いによって(7)が(4)原子に強く引きつけられるためである。

エタノールに濃硫酸を加えて130℃で加熱すると(8)を、160℃以上では(9)を生じる。前者うぃ分子間(10)反応、後者を分子内(10)反応という。

第一級アルコールを酸化すると、(11)を経て(12)を生成するが、第二級アルコールを酸化すると(13)を生じる。

(解答)

  1. 分子量
  2. ヒドロキシ基
  3. アルキル基
  4. 酸素
  5. 水素
  6. 電気陰性度
  7. 共有電子対
  8. ジエチルエーテル
  9. エチレン
  10. 脱水
  11. アルデヒド
  12. カルボン酸
  13. ケトン

問題2()に当てはまる語句を答えよ。

ガラス容器の中でアンモニア性硝酸銀水溶液と反応させるとアルデヒドは(1)性を示し、銀が容器の壁に析出する。この反応を(2)反応という。

アセトアルデヒドは酸化により(3)へと変換され、一方で還元によって(4)へと変換される。

アセトンに水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、ヨウ素を作用させると特有な臭気をもつ(5)色沈殿が生じる。この反応をヨードホルム反応という。

  1. 還元
  2. 銀鏡
  3. 酢酸
  4. エタノール
  5. ヨードホルム

問題3()にあてはまる語句を答えよ。

 分子中にカルボキシ基を二個もつものを(1)という。分子式C4H4O4で表される(1)には化合物(2)と化合物(3)の2種類の(4)異性体が存在する。化合物(2)は加熱すると分子内で脱水がおこり酸無水物(5)が得られるが、化合物(3)では脱水はおこらない。

 乳酸はカルボキシ基、水素原子、メチル基、(6)が結合している不斉炭素原子をもつ。

 メタノールを酸化して得られるカルボン酸である(7)は刺激臭のある無色の液体で還元性を示す。

 アセトアルデヒドを酸化させると(8)が得られる。(8)をP4O10存在下で加熱すると(9)になる。(9)は刺激臭のあえう無色の液体で水と反応させると(8)にもどる。

  1. ジカルボン酸
  2. マレイン酸
  3. フマル酸
  4. 幾何
  5. 無水マレイン酸
  6. ヒドロキシ基
  7. ギ酸
  8. 酢酸
  9. 無水酢酸

問題4()にあてはまる語句を答えよ。

 一般にエステルはアルコールとカルボン酸との(1)反応の一つである(2)によって得られる。

 エタノールと酢酸の混合物に少量の(3)を加えて加熱すると果実のような芳香をもつ(4)が生じる。

 エステルに水を加えて長時間加熱するとエステルは徐序に加水分解されて(5)と(6)[順不同]を生じる反応が起こる。

  1. 縮合
  2. エステル化
  3. 濃硫酸
  4. 酢酸エチル
  5. カルボン酸
  6. アルコール

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