無機化学

遷移元素について

投稿日:12月 27, 2020 更新日:

今回は遷移元素の単体や化合物の性質、および各種の金属イオンの分離と検出の方法について解説するぞ!金ほしいにゃ

・遷移元素の特徴

遷移元素は周期表の第3属から第11属までの物質ですべて金属です。最外殻の電子が2個のものがほとんどで、横隣同士の元素も性質がにていることが多い。遷移元素の代表的な元素はクロム、マンガン、鉄、銅、銀、金が挙げられます。

遷移元素の物性について紹介します。融点は一般に遷移元素>典型元素となります。タングステンの融点が一番高く、水銀は金属の中で一番融点が低いです。密度は基本的に遷移元素は重金属(密度4g/cm3)です。

・銅について

銅のイオンは酸化数が+1(Cu)、+2(Cu2+)の2種類がある。銅は合金を作りやすいです。代表的な合金は以下の通りです。

黄銅(Cu+Zn)→例・五円玉、青銅(Cu+Sn)、白銅(Cu+Ni)→例・百円玉

次に硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2Oについてふれておきます。CuSO4・5H2Oは青色です。H2Oがなくなると白色の硫酸銅(Ⅱ)CuSO4に変化します。銅を1000℃以下で加熱すると黒色の酸化銅(Ⅱ)CuO、1000℃以上で加熱すると赤色の酸化銅(Ⅰ)Cu2Oになります。

・鉄について

鉄は酸化数が+2(Fe2+)、+3(Fe3+)の状態を取ることができる。鉄の化合物としては酸化物が問われやすいので以下にのせます。

赤さび→酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3,→湿った空気中に長時間放置するとなる。

黒さび→四酸化三鉄Fe3O4→強く加熱するとなる。→酸化鉄(Ⅰ)酸化鉄(Ⅱ)の二つが合わさった物質である。

鉄の性質は以下のようなものもあります。

  • 比較的に軟らかい金属で融点が高く湿った空気中ではさびやすいです。
  • 塩酸、希硝酸には水素を発生して溶けて鉄(Ⅱ)イオンになります。
  • 濃硝酸には不動態を作るので溶解しません。
  • 鉄とクロム、ニッケルの合金(ステンレス鋼)はさびにくいです。

鉄の工業的製法は以下をクリックして確認できます。

・銀について

<酸化銀>入試においては 酸化銀Ag2Oが良く問われます。酸化銀に関する出題パターンにをのせます。

2Ag+2OH→Ag2O+H2O 銀イオンに塩基を加えると酸化銀が沈殿します。

2Ag2O → 4Ag+O2 単体の銀は白色で熱伝導性、電気伝導性が全元素中最大の金属である。

硝酸銀>銀と濃硝酸との反応で得られる無色の板状結晶で水に良く溶けます。光によって分解して銀を遊離する性質(感光性)があるので褐色瓶で保存する。

ハロゲン化銀>銀イオンはハロゲン化物イオンと反応してハロゲン化銀を生じます。フッ化銀AgFは水に溶けますがそれ以外は水に溶けずに沈殿にとけます。塩化銀と臭素銀に光をあてると沈殿は黒く変化していきます。ハロゲン化銀が分解され銀の微粒子が出てくるからです。この性質はフィルム感光剤に利用されている。

・金、クロム、マンガンについて

<金>金は化学的に安定で王水にしか溶けないことを覚えましょう。

<クロム>クロム空気中で不動態を作りやすいです。よってクロムでメッキしたものはさびにくいです。

<マンガン>マンガンは鉄よりも硬いがもろいです。酸に溶けてマンガンイオン(Ⅱ)イオンを生じます。空気中では表面が酸化されやすいので単独では使えません。少量のマンガンを含む鋼はマンガン鋼と呼ばれていて普通の鋼より硬いです。

酸化マンガン(Ⅳ)MnO2は黒色の粉末で水に溶けないです。蓄電池に使われています。過酸化水素中でH2O2の分解を促進します。

2H2O→2H2O+O2

過マンガン酸カリウムKMnO4 黒紫色の結晶で水に溶けると赤紫色の過マンガン酸イオンを生じます。

・演習問題

遷移元素の単体は一般に典型元素の金属単体と比較して融点が(1)く、密度が(2)く熱や電気の電熱性が大きい。

鉄は酸素と化合しやすく、常温の大気中では赤さびが安定である。赤さびは主に(3)であり、鉄鉱石の主成分である。赤さびは還元すると黒さびになる。黒さびは(4)である。

鉄は塩酸と反応するが、濃硝酸には溶けない。これは鉄の表面に(5)が生じて内部が保護されるためである。この状態を(6)という。

銅はそれ自身では軟らかいので硬度を高めるために合金の形で使われることが多い。銅と(7)との合金(8)は5円硬貨に用いられいる。また銅と(9)との合金(10)は10円硬貨に。銅と(11)との合金(12)は50円および100円、500円硬貨に使用されている。

銀は(13)性と(14)性がいずれも金属中で最も大きく、その(14)性を生かして電線や電気接点の材料として利用されている。

  1. 大き
  2. 酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3
  3. 四酸化三鉄Fe3O4
  4. 酸化皮膜
  5. 不動態
  6. 亜鉛
  7. 黄銅
  8. スズ
  9. 青銅
  10. ニッケル
  11. 白銅
  12. 熱伝導
  13. 電気伝導

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