理論化学

理想気体、実在気体について

投稿日:8月 23, 2020 更新日:

PV=nRTの式は理想気体の状態方程式だにゃ。今回は理想気体と実在気体の違いを中心に解説していくにゃ。

・理想気体、実在気体とは?

理想気体は分子自身がもつ体積と分子間力を0とした仮想的な気体になります。すべての温度、圧力で状態方程式が成り立ちます。一方で現実に存在する実在気体は分子自身が体積をもちかつ互いに分子間力によってひきあいながら動き回っています

標準状態で1molの気体の体積を実際に測定すると正確に22.4Lでない場合が多いにゃ。

・両者の違いとは?

まず分子の体積を考慮しているかしていないかの違いを見ていきます。気体自身の体積(粒)を無視したものが理想気体なので体積分(粒)、実在気体の体積は大きくなります。

次に分子間力の影響を見ていきます。実在気体の粒は分子間力でお互いに引き合うのでその分、体積が縮まります。よって体積が縮まった分だけ実在気体の体積は小さくなります。

理想気体はすべての温度・圧力で状態方程式が成り立つので

Z=PV/nRTの値は常にZ=1となります。縦軸にZ、横軸に圧力Pをとったグラフを考えていくと実在気体はZ=1と一定にはならず、ずれます。

多くの実在気体はTが一定のときPを大きくしていくとZの値は1から少し減少しますがある所を境に再び増加していく傾向を示します。1より減少しているところは上で説明したように実在気体は分子間力の影響をうけて体積が理想気体と比べて小さいのでPV/nRTより分子のPが減少するので1より小さくなります。一端減少し再び増加していくのは上で説明したように実在気体を圧縮すると気体の密度が高くなりその分、分子自身の体積の影響が現れるのでPV/nRTより分子のPが増加するので1より大きくなります。

・実在気体を理想気体に近づける条件とは?

実現気体を理想気体に近づける条件は二つあります。一つ目は高温にすることです。高温にすると分子の熱運動が激しくなり、分子間力の影響が無視できるようになります。するとより理想条件に近づきます。

二つ目は定圧にすることです。定圧にすると気体の体積がおおきくなるので分子自身の体積の影響が無視できるようになるのでより理想条件に近づきます。

・まとめ

  • 理想気体 分子自身がもつ体積や分子間力を0とした気体。
  • 実在気体 理想気体とはちがい分子自身が体積をもちたがいに分子間力によって引き合いながら動き回っている。
  • 理想気体に近づける条件 高温・定圧

・演習問題

問題 下のグラフは同じ温度において縦軸にZ=PV÷nRT、横軸に圧力Pをとったものです。グラフ中の曲線A,Bは水素かメタンのどれか?原子量H:1、C:12

低圧化のところに着目して問題を解くとよいにゃ。

解答.分子量が大きいほど分子間力が大きくなりZの値が1より小さくなっていくので、CH4=16,H2=2よってこの順番でZ=1からのずれが大きくなります。

A=水素、B=メタン

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