化学基礎

物質量について

投稿日:7月 19, 2020 更新日:

唐揚げを買うときに場所によっては量り売りで重さを測定している店舗があるにゃ。これは量を表すときに質量を用いているにゃ。またジュースを買ったときにそれはml(体積)で表示されていて量がわかるにゃ。このように普段の生活では物質量を表すのに質量や体積が使われているにゃ。では化学の世界で物質の量を表すに何を使えばよいのかを今回解説していくにゃ。

・アボガドロ数と物質量とは?

 化学の世界において物質は原子や分子などの粒子で構成されています。この粒子は化学変化において様々な組み合わせに変化していきます。塩酸と水酸化ナトリウムを混合したら塩化ナトリウムと水が生成する中和反応も化学反応で粒子の組み合わせが変化しています。化学の世界で物質の量を表すときは、その中に含まれる粒子の個数で考えています。

 具体的に説明していきます。原子量の基準である炭素(C)12g中には炭素原子1個の質量は1.993g×10-23なので

12(g) ÷ 1.993×10-23(g)=6.02×1023 という数の炭素(12 C)原子が含まれています。この数をアボガドロ数と呼びます。ようするに1個の炭素原子を6.02×1023個集めたら12gの炭素と同じ質量になるということです。

同じように水(H2O)についても考えていきます。分子量が18の水18g中には水分子1個の質量が2.991×10-23gなので

18(g ) ÷ 2.991×10-23=6.02×1023となり炭素の場合と等しくなります。

とうことはアボガドロ数は他の原子量および分子量に単位gをつけた質量中に原子および分子1個の質量でわるとすべてアボガドロ数(6.02×1023)個の原子や分子が含まれていることになります。

 アボガドロ数について解説しましたがこれは6.02×1023というとても大きな数値です。これでは数値が大きすぎて非常に取り扱いづらいです。そこで登場したのがモル(単位mol)です。アボガドロ数(6.02×1023)個の粒子集団を1molとしています。また1molあたりの粒子の数を6.02×1023/molをアボガドロ定数(NA)と呼びます。よって物質量(モルを単位として表した粒子の量)は

物質量[mol] = 粒子の数÷アボガドロ定数[/mol]

という計算式で求めることが可能です。

上の計算式はもちろん大事だけど次から解説するモル質量はもっと大事だにゃ。

・モル質量とは?

 物質1molあたりの質量をモル質量(g/mol)と表します。原子量や分子量に単位g/molをつけたものです。物質の重さとモル質量から物質量(mol)を求めることができます。

物質量[mol] = 物質の質量[g] ÷ モル質量[g/mol]

具体的に物質量を求めてみましょう。水が360(g)あるとすると、水はモル質量が18g/molなので

物質量[mol]=360(g)÷18(g/mol) = 20(mol)となります。ということは物質の質量が分かれば物質量をもとめることができるということです。

・1molの気体の体積とは?

 イタリア出身の化学者アボガドロは「すべての気体は同温・同圧のときに同体積中に同数の分子を含んでいる」という仮説をたてました。この仮説は正しくアボガドロの法則と呼ばれています。気体が標準状態(0度、1.013×105Pa)の時は、多くの気体では1molあたり22.4Lです。

同温、同圧では同じ物質量(mol)の気体は気体の種類に関係なく同体積=22.4Lになるということにゃ。

物質量[mol] = 標準状態の気体の体積[L] ÷22.4[L/mol]

具体的に計算してみましょう。標準状態の二酸化炭素が112[L]あります。これの物質量は

物質量[mol] = 112[L] ÷22.4[L/mol] = 5[mol]となります。

22.4[L/mol]という数値は絶対に覚えておこう!

・まとめ

  • アボガドロ数 炭素原子12C12g中に含まれる原子の数=6.02×1023
  • 物質量 アボガドロ数(6.02×1023)個の集団を1molと呼ぶ。
  • アボガドロ定数 1molあたりの粒子数、6.02×1023/mol
  • モル質量 物質1molあたりの質量。単位[g/mol]
  • 1molの気体の体積 標準状態(0度、1.013×105Pa)で22.4L

・演習問題

問1.ペットボトルに540gの水が入っている。以下の問いに答えよ。

(1)水540gの物質量は何molか?

(2)水540g中には何個の水分子が含まれるか?

(3)水分子1個の質量は何gか?

(1)はモル質量を求める問題だにゃ!

解答(1)水1molあたりの質量は18g/molなので、540(g) ÷ 18(g/mol) = 30(mol)

(2)物質量[mol] = 粒子の数÷アボガドロ定数[/mol]を変形すると

 粒子の数 = 物質量[mol]×アボガドロ定数[/mol]となりこの式に当てはめると

粒子の数(分子の数) = 30 × 6.0×1023 = 1.8×1025

(3)アボガドロ数個の水分子の質量は18(g)なので水分子1個の質量は

18(g) ÷ 6.0×1023 = 3.0× 10-23

問2.窒素ボンベから標準状態で246.4(L)の窒素(N2)を取り出した。次の問いに答えよ。

(1)取り出した窒素の物質量は何molか?

(2)取り出した酸素の質量は何gか?

物質量[mol] = 標準状態の気体の体積[L] ÷22.4[L/mol]。この式をしっかり覚えておこう!

解答(1)物質量[mol] = 標準状態の気体の体積[L] ÷22.4[L/mol]の式に当てはめると

物質量[mol] =246.4 [L] ÷22.4[L/mol] = 11(mol)

(2)窒素(N2)の分子量は= 14×2 = 28 よってモル質量は28(g/mol)

窒素の質量 = 11(mol) × 28(g/mol) = 308 (g)

 

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