化学基礎

混合物の分離操作~ろ過、蒸溜・分留、昇華法、抽出、再結晶、ペーパークロマトグラフィーについて

投稿日:6月 21, 2020 更新日:

今回は混合物の分離操作について解説していくにゃ。分離とは一般に混合物から目的とする純物質を取り出す操作だにゃ。取り出した物質をさらに純度の高い物質を得る方法を精製と呼ぶのだ。

ろ過に蒸溜・分留、昇華法、抽出、再結晶、ペーパークロマトグラフィーと覚えることがたくさんあるにゃ。頑張って覚えねば!

・ろ過とは?

 ろ過とは固体が混じっている液体からろ紙などを使って固体を分離する方法です。ろ紙を通り向けた液体はろ液と呼ばれています。例えば塩化カルシウムと砂利の混合物を水に溶かしそれをろ過します。すると塩化カルシウムは水にとけるのでろ紙を通過するのですが砂利はろ紙の上に残るのでうまく分離できたと言えます。

ろ過には注意点があるにゃ!

  • [ろ過の注意点と方法]
  • ろ紙は水で少し濡らしてろうとにしっかり密着させる。(ろ紙をしっかり密着させないとろ過できなかった液体を採取してしまう。)
  • ろうとの先をビーカーの打つ側につける。
  • ガラス棒はろ紙の重なった所にあてる。
  • 試料液は上澄み液から注ぐ。
  • 注ぐ量はろ紙の縁(下)から1cm程度にしておく。

ろ過操作は少し時間がかかることもあるけど落ち着いて操作することが大事だにゃ!ろ紙はひだ折りろ紙にするとろ過速度をあげることができるぞ。ひだ折りろ紙にするのは大学性レベルだから頭の片隅に留めておくとよいにゃ!。

・蒸留、分留とは?

 蒸留とは例えば海水から加熱して純水を得るように混合物である溶液を加熱して沸騰させ、生じた蒸気を冷却することによってもとの溶液から液体を分離する方法です。

上の図はリービッヒ冷却器を使って蒸留する方法の簡易的な模式図だにゃ。リービッヒ冷却器はガラス管が二重構造で内側のガラス管に蒸気が通り、外側のガラス管に冷却水が流れていてこの冷却水の効果によって蒸気を凝縮して液体にさせる装置のことだにゃ。この装置を使用し蒸留するときの操作方法や注意点がテストに問われることがあるから覚えるほうがよいにゃ!

  • 蒸気の温度を正確に測定するために、温度計の下端を枝付フラスコの枝の位置に合わせる。
  • 資料の液量は1/2以下程度にしておく
  • 突然の沸騰(突沸)を防ぐために沸騰石を絶対にいれる。(突沸は危険なためこの操作を忘れないことが大事)
  • 冷却水は下側から上側の方向に流し続ける。
  • 受け器(フラスコなど)は密栓をしない。

次は分留について説明するにゃ!

 分留は2種類以上の混合物を、沸点の違いを利用して順番に蒸留し各成分に分けていくことを分留といいます。蒸留というおおきなくくりの中に分留があります。例としては石油が上げられます。石油は採掘した状態では色々な液体が入っていて沸点の違いを利用して分留を行うと軽油、灯油などにしっかり分けて得ることができます。軽油は沸点240~350度、灯油は沸点170~250度、ナフサは沸点(30~180度)になります。

・昇華法とは?

 固体が直接気体になる変化、および固体が気体になり直接固体になる変化を昇華といいます。水で例えると氷から水蒸気、水蒸気から氷への変化です。この変化を利用して固体の混合物からヨウ素やナフタレンなどの昇華しやすい物質を分離および精製することができます。この方法を昇華法と呼びます。ヨウ素と塩化ナトリウムの混合物を加熱するとヨウ素だけが昇華します。これを冷却すれば純水なヨウ素の結晶をえることが可能です。(追記)固体が直接気体になる方法を昇華といいますが、気体から固体になる変化を最近の教科書では凝華と呼ぶそうです。

昇華しやすい物質はヨウ素やナフタレンの他にもドライアイス(二酸化炭素)、カフェインがあるにゃ!

・抽出とは?

 抽出とは混合物に特定の溶媒を加えて、目的物質だけを溶かしだして分離する操作です。例えばヨウ素ヨウ化カリウム水溶液とヘキサンを分液漏斗にいれると、水(水溶液)とヘキサンはほとんど混じらない(混合できない)がヨウ素はヘキサンに溶けやすいので分液漏斗で振り混ぜた後静置すると水に溶けていたヨウ素はほとんどヘキサンに溶けるようになります。詳しいことは有機化学で習います。

乾燥させた紅茶の葉を熱湯にいれると香りと味の成分が熱湯側に移動するにゃ!巷で飲まれている紅茶は抽出方法を利用したものだにゃ。紅茶飲みたいな~~

・再結晶とは?

 一定量の溶媒(水など)に溶解する物質の量が温度によって異なることを利用し、固体物質に含まれる少量の不純物を除く操作を再結晶といいます。例えば硫酸銅(Ⅱ)を含む硝酸カリウムを熱水に溶かし、徐序に冷却すると、硝酸カリウムのみが結晶として析出します。このとき混合物に含まれていた少量の硫酸銅(Ⅱ)は溶液中に溶けたまま残ります。再結晶は固体物質の精製に広く利用されています。

・ペーパークロマトグラフィーとは?

 複数の色素の混合物をろ紙の表面につけ、アルコールなどの適当な溶媒(展開液)に浸すと、溶媒が移動するのに伴って、各色素が異なる位置に分離されます。このように混合物が溶媒とともにろ紙上を移動するとき、その移動速度の違いを利用して各成分に分離する操作をペーパークロマトグラフィーといいます。一般には物質中での移動速度の違いを利用して混合物を各成分に分離する操作をクロマトグラフィーと呼びます。

・まとめ

  • ろ過 ろ紙などを使用して液体とその液体に溶けることのできない固体を分離する操作
  • 蒸留 液体を含む混合物を加熱し、生じた蒸気を冷却して、再び液体として分離する操作
  • 分留 2種類以上の混合物を、蒸留によって各成分に分離する操作
  • 昇華法 固体が直接気体となる変化を利用して分離する操作
  • 抽出 目的とする成分物質を溶媒に溶解させて分離する操作
  • 再結晶 温度による溶ける量の違いを利用して結晶中の不純物を取り除く操作
  • ペーパークロマトグラフィー ろ紙の一端から溶媒を染みこませ、溶媒の移動によってろ紙上の物質を分離する操作

・演習問題

 次の混合物から()内の物質を取り分けるのに適した分離操作は何か。

(1)茶葉(緑茶の成分) (2)食塩水(水) (3)泥水(泥)

緑茶にはカテキンが沢山含まれていてこのカテキンは抗酸化作用が強いので風邪予防にとてもよいにゃ!

(解答)(1)抽出(2)蒸留(3)ろ過

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