化学基礎

水素イオン濃度とpHについて

投稿日:7月 24, 2020 更新日:

今回は水素イオン濃度とpHについて解説するにゃ。とくにpH計算はつまずきやすいからしっかり学習するにゃ。

・水素イオン濃度について?

 酸や塩基の水溶液は電気伝導性を示し。それは酸や塩基が水溶液中でイオンに電離しているからです。水は電気を通さないイメージがありますが実はわずかに電気を通すことが知られています。それはなぜかというと水分子の一部のみが電離しているからです。化学式はH2O ⇄ H+ + OHとなります。

 水素イオン濃度H+のモル濃度を水素イオン濃度といい記号は[H+]と表します。一方で水酸化物イオンOHのモル濃度は[OH]で表します。実はこの水素イオンH+と水酸化物イオンOHのモル濃度は純水でかつ25℃では等しくなります。

[H+]=[OH]=1.0×10-7mol/L(この状態は中性です。)

酸性や塩基性の水溶液は水素イオン濃度[H+]と水酸化物イオン濃度[OH]の積は常に一定です。この積を水のイオン積(記号はKw)と呼びます。

イオン積はKw=[H+][OH]=1.0×10-14(mol/L)2という式で表せます。ようするに水素イオン濃度[H+]の値が低くなった場合は水酸化物イオン濃度[OH]の値は高くなります。逆もしかりです。

 次に水素イオン濃度[H+]と水酸化物イオン濃度[OH]の求め方について解説します。水素イオン濃度は[H+]=酸のモル濃度×電離度で求めることができます。水酸化物イオン濃度も同様に[OH]=塩基のモル濃度×電離度で求めることができます。例として水素イオン濃度を求めようと思います。0.1mol/Lの塩酸の電離度が0.97であるとき水素イオン濃度は[H+]=0.1mol/L×0.97=0.097mol/L=9.7×10-2mol/Lとなります。

・酸性、塩基性と水素イオン濃度の関係とは?

 イオン積の所で少し触れていますが、水に酸を溶かすと水素イオン濃度[H+]が増加し一方で水酸化物イオン濃度[OH]は減少します。水に塩基と溶かすと水素イオン濃度[H+]の値は減少し、水酸化物イオン濃度[OH]が減少します。よって水素イオン濃度[H+]と水酸化物イオン濃度[OH]の関係は反比例です。

酸性[H+] > 1.0×10-7mol/L > [OH]
中性[H+] = 1.0×10-7mol/L = [OH]
塩基性[H+] < 1.0×10-7mol/L > [OH]

pHとは?

  水素イオン濃度[H+]や水酸化物イオン濃度[OH]の値は一番下で100mol/Lから1014mol/Lと数字が非常に幅広いです。よって酸性や塩基性の強さをもっと簡潔にしたものがあります。それがpHというものです。

水素イオン濃度[H+]=10-nmol/Lの時、pH=n

H+]=10-nmol/Lとした場合のnがpHです。よってpHは0~14までの値しか有りません。例として[H+]=10-5mol/Lの時はpH=5となります。pHによって水溶液が酸性、中性、塩基性かをしることができます。

pHによって水溶液が酸性、中性、塩基性かを知ることが出来るにゃ!酸性pH<7、中性pH=7、塩基性pH>7と決められている。これも重要な所だぞ。

・pH指示薬とは?

 実はpHのおおよその値はpH指示薬(水溶液のpHによって色が変化する試薬)というものを使用し、知ることができます。色が変化するpHの範囲を変色域といいます。

 代表的なpH指示薬としてあげられるのがメチルオレンジ、フェノールフタレイン、ブロモチモールブルー( BTB)です。それぞれの指示薬の変色域はメチルオレンジがpH3.1~4.4、フェノールフタレインがpH8.0~9.8、ブロモチモールブルー( BTB)です。

pHの正確な値はpHメーターを使用すればしることができます。

実は周りにはpHにとても関連したものがあふれているにゃ。例えば牛乳はpH=6ぐらいで、しょうゆはpH=4ぐらいだにゃ。

・まとめ

  • 酸性 [H+] > 1.0×10-7mol/L > [OH]
  • 中性 [H+] = 1.0×10-7mol/L = [OH]
  • 塩基性 [H+] < 1.0×10-7mol/L > [OH]
  • イオン積 Kw=[H+][OH]=1.0×10-14(mol/L)2
  • pH [H+]=10-nmol/Lの時、pH=n
  • pH指示薬 メチルオレンジ、フェノールフタレイン、ブロモチモールブルー( BTB)

・演習問題

問題1.次の水溶液のpHをそれぞれ求めよ。

(1)0.01mol/L塩酸水溶液。

(2)0.1mol/L水酸化ナトリウム。

(3)5.0mol/L酢酸(電離度0.02mol/L)。

(4)0.4gの水酸化ナトリウム(式量40)を1000mlの水に溶かした水酸化ナトリウム水溶液。

水溶液が酸性か塩基性なのかをまず考えるとよいにゃ!

解答(1)塩酸は強酸でほぼ完全に電離しているので水素イオン濃度[H+]は塩酸のモル濃度と同じである。計算すると[H+]= 0.01mol/L = 1.0×10-2mol/L 、 [H+]=10-nmol/Lの時、pH=nよりpH=2となる。

解答(2)水酸化ナトリウムは強塩基でほぼ完全に電離している。よって水酸化物イオン濃度[OH]は水酸化ナトリウムのモル濃度と同じである。計算すると[OH]=0.1mol/L=1.0×10-1mol/L、Kw=[H+][OH]=1.0×10-14(mol/L)2より[H+]=Kw÷[OH]=1.0×10-14÷1.0×10-1mol/L=1.0×10-13よってpH=13である。

解答(3)酢酸は酢酸分子が一部しか電離していないので、[H+]=酸のモル濃度×電離度の式に数値を当てはめて水素イオン濃度[H+]を求めると、[H+]=5.0×0.02=1.0×10-1mol/LよってpH=1となる。

解答(4)水酸化ナトリウムの物質量は0.4g÷40g/mol=0.01molである。1000mlの水にこの水酸化ナトリウムを溶かすのでモル濃度は0.01mol÷1L=0.01mol/L=1.0×10-2mol/L=[OH]。よって水素イオン濃度[H+]=1.0×10-12よってpH=12である。

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