理論化学

反応速度(計算問題)

投稿日:10月 10, 2020 更新日:

前回は反応速度の基礎的な部分について解説したにゃ。今回は基礎的な知識を扱えるように実際に計算していくにゃ。

・演習問題

問題1 

少量の酸化マンガン(Ⅵ)MnO2に過酸化水素H2O2水を加えると次式の反応がおこる。

2H2O2 → 2H2O + O2

濃度が01.0mol/LのH2O2水溶液を50.0mLぃわえたところ、反応開始から60秒間でH2O2が3.0×10-3mol反応し、O2が1.0×10-3発生した。反応速度は単位時間あたりの物質の変化量(反応物の濃度の減少量、または生成物の濃度の増加量)で表される。上記の反応について、反応速度は次のようにもとめることができる。

H2O2のモル濃度の減少量=(A)mol÷(B)L

=(C)mol/L

反応速度=H2O2のモル濃度の減少量÷反応時間

=(C)mol/L÷(D)s

=(E)mol/(L・s)

(A)~(E)にあてはまる数値を答えよ。すべて二桁

まず変化量を化学反応式から考えよう。

解答   

2H2O2     →     2H2O +     O2

(変化量)ー3.0×10-3mol +3.0×10-3mol +1.0×10-3mol

Δ[H2O2]=ー3.0×10-3mol÷1.0×10-2L=ー0.30[mol/L]

v=ーΔ[H2O2]÷Δt=ー(ー0.30mol/L)÷60s=5.0×10-3mol/(L・s)

(A)ー3.0×10-3、(B)1.0×10-2L、(C)ー0.30、(D)60、(E)5.0×10-3

問題2 

過酸化水素に少量の塩化鉄(Ⅲ)を加え、25度に保つと水と酸素に分解される。過酸化水素粋の濃度を一定時間おきに測定して調べ結果と、測定時間ごとの平均濃度と平均速度を計算した値を表に示した。まず経過時間1分と4分の間の平均濃度は(A)mol/L(3桁)、平均速度は(B)mol/(L・min)(二桁)と求められる。次に測定時間間隔ごとに平均速度を平均濃度で割った値を求めると0~1分ではその値は(C)(二桁)、1~4分では(D)(二桁)、4~6では(E)(二桁)、6~9分では(F)(二桁)となり、その単位は(G)となる。これらの値(k)と平均速度(V)と過酸化水素の濃度[H2O2]との関係を表す式は(H)となることがわかる。kは反応速度定数とよばれる。(A)から(H)に入る数値または語句を答えよ。(岩手大改)

解答 

(A)平均濃度:[H2O2]=(0.496+0.384)÷2=0.440[mol/L]

(B)平均速度:V=ーΔH2O2÷Δt=ー(0.384ー0.496)mol/L÷(4ー1)min=0.0373

≑0.037[mol/(L・min)]

(C)0.045mol/(L・min)÷0.519mol/L≑0.087[/min]=k1とおく

(D)0.0373mol/(L・min)÷0.440mol/L≑0.085[/min]=k2とおく

(E)0.030mol/(L・min)÷0.354mol/L≑0.085[/min]=k3とおく

(F)0.025mol/(L・min)÷0.287mol/L≑0.087[/min]=k4とおく

(G)単位はそれぞれ/min]となっています。

平均濃度を横軸、平均速度を縦行くとしてグラフにすると下の図のようになります。グラフより平均速度は平均濃度に比例しているので(H)V=k[H2O2]という反応速度式になります。

ここで補足ですがkはグラフの傾きまたはk1~k4の平均値から求めることができます。上のy=0.0856xのy=axのaの部分が傾きなので0.0856です。

平均値からもとめてみましょう。

k=(0.087+0.085+0.085+0.087)÷4=0.086[/min]となりさきほどの数値とほとんどかわりません。

まだ覚えておかなくてもいいけどエクセルをつかってグラフの傾きは簡単にだせるにゃ。

問題3

容積一定の容器中、一定温度のもとで次式①で表される可逆反応が平衡状態に達している。

H2(気)+I2(気)≑2HI(気) ①

①式の正反応において反応速度v1を物質の濃度[H2]、[I2]と正反応の速度定数k1で表すとv1=(A)であり、①式の逆反応においてその反応速度v2を[HI]と逆反応の速度定数k2で表すとv1=(B)である。

いまH2とI2の初期濃度がいずれも0.50molL/Lのとき①式の正反応開始直後におけるHIの生成速度v1は8.0×10-2mol/(L・min)であった。一方HIの初期濃度が1.0mol/Lのとき逆反応開始直後における①式の逆反応の速度v2は5.0×10-3mol/(L・min)であった。

①式の正反応および逆反応の速度定数k1およびk2はそれぞれ(C)mol/(L・min)(2桁)および(D)mol/(L・min)(2桁)となる(A)~(D)に入る語句を答えよ。(東京電気大)

解答 

(A) v1=k1[H2][I2]

(B)v2=k2[HI]2

(C)v1=k1[H2][I2]より

8.0×10-2=k1×0.50×0.50→k1=0.32[L/(mol・min)]

(D)v2=k2[HI]2より

5.0×10-3=k2[1.0]2→k2=5.0×10-3

-理論化学

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