理論化学

反応熱と熱化学方程式

投稿日:9月 13, 2020 更新日:

今回は熱化学の分野について解説するにゃ。化学反応には熱を放出したり、あるいは熱を吸収する反応があるにゃ。その反応の様子を数値であらわしたものが熱化学方程式だにゃ。

・熱化学方程式とは?

熱が発生しながら進む反応が発熱反応、熱を吸収しながら進む反応が吸熱反応になります。

ここで熱化学方程式のルールを載せます。

  • 反応熱が発熱反応の時「+」、吸熱反応「-」。
  • 各化学式の物質の状態を固、液、気のように表す。
  • 同素体が存在するときはその名称を書く。C(黒鉛)など

例として炭素と水素の反応を載せます。

C(黒鉛) + 2H2(気)= CH4(気)+ 75kJ

・様々な反応熱について?

・燃焼熱について

燃焼熱は物質1molが酸素と反応して完全燃焼するときの反応熱です。完全燃焼はすべて発熱反応であることに注意しましょう。

CH4(気)+2O2(気)=CO2(気)+2H2O(液)+891kJ

・生成熱について

生成熱は物質1molがその成分元素の単体から生成するときの反応熱です。

C(黒鉛) + 2H2(気)= CH4(気)+ 75kJ

・溶解熱について

溶解熱は物質1molを大量の溶媒に溶かしたときの熱です。

NaOH(固) + aq = NaOHaq +44.5kJ

・中和熱について

水溶液中で酸が放出した水素イオンH1molと塩基が放出した水酸化物イオンOH1molから水H2O1molが生成するときの反応熱を中和熱といいます。

HClaq +NaOH = H2O(液) + NaClaq +56.5kJ

・様々なエネルギーについて?

・結合エネルギーについて

共有結合を切断するのに必要なエネルギーが結合エネルギーになります。

メタンCH4(気)のC-H結合(結合エネルギー416kJ/mol)を切断すると

CH4(気)+416×4kJ=C(気)+4H(気) *416×4なのはC-H結合がメタンには4本あるので

上の式を整理すると

CH4(気)=C(気)+4H(気)-1664kJ

・格子エネルギーについて

結晶格子を分解した粒子にするのに必要なエネルギーを格子エネルギーと呼ぶ。

NaCl(固)+780kJ=Na(気)+Cl

NaCl(固)=Na(気)+Cl-780kJ

・イオン化エネルギーについて

原子から電子を受け取って陽イオンにするのに必要なエネルギーをイオン化エネルギーと呼ぶ。

Na(気)=Na(気)+e-496kJ

結合エネルギー、格子エネルギー、イオン化エネルギーは全て吸熱反応だニャ!

・様々な状態変化に関する熱について?

・蒸発熱について

HO(液)=HO(気)

液体を気体にするには44kJ必要だから

HO(液)+44kJ=HO(気)

HO(気)=HO(液)+44kJ

また、この逆反応の凝縮に必要な熱が凝縮熱で、その大きさは蒸発熱と同じである。

・融解熱について

HO(固)=HO(液)

固体を気体にするには6kJ必要だから

HO(固)+6kJ=HO(液)

HO(固)=HO(液)-6kJ

また、この逆反応の凝固に必要な熱が凝固熱で、その大きさは融解熱と同じである。

・演習問題

問題1.生成熱とは化合物1molが成分元素の(A)から生成するときに(B)または(C)する熱量をいう。燃焼熱は燃焼する物質1molが酸素と反応して完全燃焼するときに(D)する熱量をいう。

生成熱は物質により正の値を取る場合と負の値を取る場合がある。燃焼熱は常に正の値をとるにゃ。

解答(A)単体 (B)発生 (C)吸収 (D)発生

問題2. 気体分子内の結合を切ってばらばらの原子にするときの変化は次のように表される。

CO2(気)=C(気)+2O2(気)ー1608kJ

C=Oの結合エネルギーは何kJ/molか?

CO2はO=C=Oと表されC=Oの結合は二個あることに注意にゃ。

解答. CO2の解離エネルギーは1608kJなのでC=Oの結合エネルギーは

1608kJ÷2mol=804kJ/mol

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