化学基礎

原子の電子配置と元素の周期表

投稿日:6月 28, 2020 更新日:

今回は原子の電子配置と元素の周期表について解説するにゃ!色々な元素名が出てくるからしっかり勉強することが大事だぞ。

・電子殻と電子配置とは?

 原子内の電子は原子核のまわりに存在しています。電子が存在できる空間はいくつかの層に分かれていてこれらを電子殻といいます。電子殻は原子核に近い内側から順にK殻、L殻、M殻、N殻・・・と呼ばれています。各電子殻に収容することのできる電子の最大数はK殻から順に2個、8個、18個、32個…、2n2個(内側からn番目の電子殻)となります。電子は原子核に近いほどより強く原子核に引きつけられエネルギーの低い安定な状態になります。。そのため電子は内側のK殻から順に収容されていきます。たとえばマグネシウム(12Mg)ではまずK殻に2個、L殻に8個の電子が入り、残った2個の電子はM殻に配置される。原子内ではこのような電子の配列の仕方を電子配置といいます。

・価電子と閉殻とは?

 原子の一番外側の電子殻(最外殻)にある電子は最外殻電子と言います。原子を原子番号の順に並べて電子配置を比較すると最外殻電子の数は周期的に変化することがわかります。最外殻に1~7個の電子があるときこの電子を価電子といい、内側の電子殻にある電子(内側電子)と区別します。価電子は電子がイオンになったり他の原子とくっついたりするときに大事な役割を果たします。

 ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)の6種の元素達を貴ガスといいます(希ガスと表記している教科書もあると思います。僕たちの時は希ガスのほうでした。)。HeのK殻やNeのL殻のように最大数の電子が収容された電子殻を閉殻といいます。最外殻が閉殻の場合またはアルゴン、キセノンのように最外殻電子の数が8個の場合はその電子配置は安定となります。このため貴ガスは他の原子と結びつきにくく、単原子分子として存在しています。貴ガスの最外殻電子の数は2個まあは8個ですが価電子の数は0個です。

貴ガスはとても安定している物質だにゃ。

Table.原子の電子配置 赤数字が最外殻の電子の数

電子殻   
元素名原子原子番号KLMN
水素H11
ヘリウムHe22
リチウムLi321
ベリリウムBe422
ホウ素B523
炭素C624
窒素N725
酸素O826
フッ素F927
ネオンNe1028
ナトリウムNa11281
マグネシウムMg12282
アルミニウムAl13283
ケイ素Si14284
リンP15285
硫黄S16286
塩素Cl17287
アルゴンAr18288
カリウムK192881
カルシウムCa202882

・元素の周期律、元素の周期表とは?c

  原子番号の順に元素を並べていくと価電子の数が下の図のように規則的に変化しています。それに伴い単体の融点などの元素に関する性質も周期的に変化していきます。このように元素を原子番号の順に並べるとその性質が周期的に変化していくことを元素の周期律といいます。

周期的に変化する値として原子やイオンの大きさ、イオン化エネルギー、電子親和力といった値も周期的に変化するのだ。

 周期律に基づいて、性質の類似した元素が同じ縦の列に並ぶように配列した表を元素の周期表といいます。周期表の横の行を周期といい、上から順に第1周期、第2周期、・・第7周期と呼びます。また縦の列を族といい、左から順に1族、2族、3族、・・、18族と呼びます。同じ族に属する元素を同族元素といいます。

・典型元素と遷移元素とは?

 周期表の両側に位置する1,2族と、12~18族の元素を典型元素、その間に位置する3~11の元素を遷移元素といいます(12族が遷移元素に含まれる場合もある)。同族の典型元素は同じ価電子数を持っていてお互いによく似た科学的性質を示します。特に性質がよく似ている同族元素は、特別な名前で呼ばれるパターンがあります。H以外1族元素をアルカリ金属、2族元素をアルカリ土類金属(BeとMgが除かれる場合もある)、17族元素をハロゲン、18族元素を貴ガスと言います。典型元素は族ごとに大きく異なる性質を示しますが、遷移元素は原子の最外殻電子の数が1または2でほとんど変化しないので周期表で左右にとなりあう元素どうしでもよく似た性質を示すことがあります。

 元素は金属元素と非金属元素に分かれます。単体に金属光沢があり、電気や熱をよく導く元素を金属元素といいます。金属元素は全金属の約80%を占めていて、周期表の左下から中央にかけて位置しています。一方、金属元素以外の元素を非金属元素といいます。非金属元素は周期表の主に右上に位置しています。典型元素は金属元素と非金属元素を約半分ずつだが、遷移元素はすべて金属元素です。

元素の性質は金属元素と非金属元素で大きく異なる。例えばアルカリ金属の原子は価電子を失って陽イオンになりやすく陽性が強い。Liはイオン化傾向がとても大きい。イオン化傾向についてはまた別の時に解説するにゃ。

逆に貴ガスを除く非金属元素であるハロゲンといった物質は電子を取りこみやすく陰イオンになりやすい=陰性が強いにゃ!

・まとめ

  • 電子殻 原子を取り巻く電子が存在できる空間で、各電子間の電子の最大収容数はK殻2個、L殻8個、M殻18個、N殻32個。
  • 最外殻電子 最も外側の電子殻に存在する電子。
  • 価電子 最外殻にある1~7の電子で、原子の科学的性質に関係する。
  • 閉殻 最大数の電子が収容されている電子核。
  • 元素の周期律 元素を縦に並べると、その性質が周期的に変化していく。
  • 元素の周期表 元素の周期律に基づき、性質のよく似た元素が縦の列に並ぶように配列した表。族は縦の列(1族~18族)、周期横の列(第1周期~第7周期)。
  • アルカリ金属 H(水素)を除く1族の元素。
  • アルカリ土類金属 2族元素(ただしBeとMgを除く場合あり)。
  • ハロゲン 17族元素。
  • 貴ガス 18族元素。

・演習問題

①次の文中の()に適切な文章を入れよ

元素を(1)の順に並べると、性質のよく似た元素が周期的に現れる。この規則性を元素の(2)といい、これに基づいて元素を配列した表を元素の(3)という。(3)において横の行を(4)、縦の列を(5)といい、17族元素を(6)、18族元素を(7)、H(水素)を除く1族元素を(8)、2族元素(BeとMgは除く場合あり)を(9)という。

族の名称は良く問われるから覚えるにゃ!

(1)原子番号(2)周期律(3)周期表(4)周期(5)族(6)ハロゲン(7)貴ガス(希ガス)(8)アルカリ金属(9)アルカリ土類金属

-化学基礎

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