化学基礎

分子間結合について

投稿日:7月 11, 2020 更新日:

今回は電気陰性度、分子の極性、水素結合、ファンデルワールス力について解説するにゃ。

・電気陰性度とは?

同じ原子同士が共有結合を作ると共有電子対は2つの原子から同じように引き寄せられます。また異なる原子が共有結合を作ると共有電子対は一方の原子に傾向を示します。原子が共有電子対を引きつける強さを数値で表したものを電気陰性度と言います。周期表情では電気陰性度は希ガスを除いて右上に行くほど大きくてフッ素(F)が一番大きくなります。

有機化学の分野では酸素>窒素>炭素>水素の順で大きいことを知っておくと良いぞ。

・結合の極性とは?

 水素分子のように同じ原子が共有結合止しているとき、共有電子対はどちらの原子にも偏ることなく均等に分布します。一方で水分子のように異なる原子が共有結合している場合、共有電子対は電気陰性度が大きい塩素原子の方に引き寄せられ少し引きよせられ、酸素原子はわずかに負電荷(δ)、水素原子はわずかに正電荷(δ+)を帯びます。このように共有電子対が一方の原子に偏っているとき結合に極性があるといいます。また結合に極性を生じることを分極といいます。2原子間の電気陰性度の差が大きいほど結合の極性は大きくなります。同じ原子同士が共有結合したときは結合の極性はないです。

δ(デルタ)は各原子に生じる電荷の偏りをあらわしているにゃ。

 H-HやCl-Clのように、結合に極性がないとき分子全体としては極性を持ちません。このような分子を無極性分子といいます。一方でH-FやH-Clのように結合に極性がある場合は分子全体としては極性を持ちこのような分子を極性分子といいます。二原子分子では結合の極性が分子の極性に直接一致しますが、多原子分子では分子の極性には分子の形が関係します。二酸化炭素分子CO2の場合はC=O結合には極性がありますが、分子は直線形で2つのC=Oの極性の大きさは等しいですが方向が反対のため互いに打ち消し合う形となり分子全体としては無極性分子となります。無極性分子の仲間としてメタンなどが挙げられます。水分子H2Oの場合、O-H結合に極性がありかつ折れ線形なので極性同士打ち消し合わずに分子全体としては極性分子となります。極性分子の仲間としてアンモニアNH3が挙げられます。また極性分子は極性をもつ水分子と混ざりやすく、無極性分子は極性を持つ水分子とは混じりにくいです。

極性分子の間に働く静電気的な引力はイオン結合でイオン間に働く静電気的な引力よりもよわいのにゃ。

・水素結合とは?

 水素原子を仲立ちとして、隣接する分子同士が引き合うような結合を水素結合といいます。酸素原子や窒素原子といった原子は電気陰性度が強く水素との化合物である水分子やアンモニア分子の間に水素結合が形成されます。水素結合は通常の極性分子間にはたらく静電気的な引力よりは強いですが、共有結合やイオン結合と比較すると非常に弱いです。

・ファンデルワールス力とは?

 水素分子(H2)や塩素分子(Cl2)のような無極性分子の間にも弱い引力が働きます。すると分子が互いに引きつけ合うことで液体や固体へと状態変化します。このような分子間にはたらく引力や、極性分子間にはたらく静電気的は引力など水素結合以外の分子間にはたらく引力をファンデルワールス力といいます。水素結合やファンデルワールス力をまてめて分子間力といいます。これは共有結合やイオン結合と比較して非常に弱い力になります。

・分子間力と沸点の関係とは?

状態が液体の時に蒸発して気体へと変化するには分子は隣接する分子との間の分子間力に打ち勝って液体表面から飛び出すだけのエネルギーが必要です(くっついている磁石同士を引き離そうとしたら力(エネルギー)が必要ですよね?そのようなイメージです)。したがって分子間力が大きいほどその液体は蒸発しにくく沸点が高くなります。次に属ごとに沸点の大きさを比較していきます。14元素の水素化合物(CH4、SiO4など)は無極性分子で、構造は正四面体となっています。構造が比較的似た分子は分子の質量が大きいほどファンデルワースル力が強くはたらくので沸点が高くなっています。水素化合物の沸点を14属、15属(NH3、PH3など)、16属(H2O、H2Sなど)、17属(HF、HClなど)で比較すると14属が最も低いです。これは15属、16属、17属の水素化合物が極性分子だからです。極性分子だと分子間力に静電気的な引力が加わるのでファンデルワールス力が大きくなります。

アンモニア、フッ化水素、水の沸点が水素化合物の同じ属の中でとても大きい値をしめすにゃ。

・分子結晶とは?

 二酸化炭素分子は炭素原子と酸素原子が共有結合していますが。二酸化炭素の固体中では二酸化炭素同士を結びつけている力は分子間力です。多数の分子が分子間力で引き合い、規則正しく配列してできた結晶を分子結晶といいます。分子結晶は融点が低く、軟らかく昇華しやすいものが多いです。例としてドライアイス、ヨウ素があります。

・まとめ

  • 電位陰性度 原子が共有電子対を引きつける強さを表した数値
  • 水素結合 水素原子を仲立ちとして、隣接する分子同士が引き合うような結合
  • ファンデルワールス力 分子間にはたらく引力や、極性分子間にはたらく静電気的は引力など水素結合以外の分子間にはたらく引力
  • 分子結晶 数の分子が分子間力で引き合い、規則正しく配列してできた結晶

・演習問題

問題①次の文中の()に適切な語句を入れよ。

 共有電子対を引きつける強さを相対的な数値で表した物を(1)といい、周期表では希ガスを除いて(2)に位置する元素ほど大きくなります。異種の原子の共有結合では(1)の差が大きいほど電荷の偏りが(3)くなる。このように原子間の電荷の偏りがあることを結合に(4)があるといいます。しかし分子全体として(4)をもつかどうかは分子を構成する結合の(4)と分子の(5)という2つの要素によって決まります。例えば水分子O-H結合に極性があるので分子全体として(6)となります。

極性をもつ要素とは何かな?

解答(1)電気陰性度(2)右上(3)大き(4)極性(5)形(6)極性分子

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