化学基礎

共有結合について

投稿日:7月 5, 2020 更新日:

今回は共有結合について解説するにゃ。電子に注目するにゃ。

・共有結合とは?

 貴ガス(希ガス)以外の非金属元素の原子は、不足する電子を違いに共有することによって、貴ガスの原子と同じ電子配置をとろうとする傾向があります。こうして原子を共有した原子間には強い結合が生じて分子が形成されます。

 2個の水素原子はそれぞれ1個の価電子を出し合い、それらを共有します。このときどちらの水素原子もヘリウム原子と同じ安定な電子配置となり水素分子H2が形成されます。このように原子同士が価電子を出し合い、互いに電子を共有して作られる結合を共有結合と呼びます

価電子の復習をするにゃ。価電子は最外殻に1~7個の電子がある場合の電子のことにゃ。

 共有結合は同種の原子間だけではなく異種の原子間にもあります。例として水素原子と塩素原子はそれぞれ1個の価電子を出し合いそれらを共有します。このとき水素原子はヘリウム原子Heと塩素原子はアルゴン原子Arと同じ電子配置となり塩化水素分子となります。いわゆる塩酸です。

分子の中には原子が共有結合で数千個もつながってできた強大なものがあるにゃ。このような分子からなる化合物を高分子化合物というにゃ。高分子化合物の代表と言えばプラスチックだぞ。

・分子の種類とは?

 分子はその構成する原子の数によって単原子分子、二原子分子、三原子分子などと呼ばれています。構成原子の数が3以上の分子を多原子分子といいます。分子は構成原子の種類を元素記号でその数を右下に添えた分子式で表します。例えば窒素分子はN2、水酸化ナトリウムはNaOHと表します。またヘリウムのような単原子分子式はArとなります。

分子を構成する原子の数の時に1は省略するにゃ。これは決まり。

・電子対、不対電子とは?

 元素記号の周囲に、最外殻電子数を点・で表した式を電子式といます。原子の最外殻電子のうち2個で対になった物電子を電子対といい、反対に対になっていない電子を不対電子といいます。電位は対になると安定になるという性質があります。貴ガスの原子の電子配置が安定なのは8個(ヘリウムは2個)の最外殻電子が全て電子対になっているからです。

炭素は不対電子が4個、窒素は3個、酸素には2個あることを覚えとくとよいにゃ。

・共有電子対とは?

 水分子では酸素原子の2個の不対電子と、水素原子の1個の不対電子が電子対を一つずつ作って結合していて、原子間で共有された電子対を共有電子対といいます。反対に最初から電子対になっていて、原子間で共有されていない電子対を非共有電子対といいます。共有電子対は共有結合を表していて、1組の共有電子対による共有結合を単結合といいます。

 二酸化炭素では炭素原子と酸素原子がそれぞれの間で不対電子を出し合って2組の共有電子対をつくって結合しています。このような2組の共有電子対による共有結合を二重結合といいます。

 窒素分子では2個の窒素原子が不対電子を3個ずつ出し合って3組の共有電子対をつくって結合しています。このような3組の共有電子対による結合を三重結合といいます。

・分子の形とは?

 分子の立体的な形は分子を構成する原子及び結合の種類によって決まっていて、それぞれの分子によって直線形、折れ線系、三角すい形、正四面体形などさまざまあります。例として水は折れ線系、アンモニアは三角すい形、メタンは正四面体形、二酸化炭素は直線形です。また構造式は分子内における結合の様子を平面的に表してもので必ずしも実際の形と一致するとは限らないです。

・共有結合結晶とは?

 多数の原子が共有結合でつながった結晶を共有結合の結晶といいます。共有結合結晶は硬くて融点が非常に高いものが多く、溶媒にもとけないです。また電気を通さないものが多いです。以下に代表的な共有結合結晶を紹介します。

ダイヤモンド>ダイヤモンドは炭素の同素体の一つです。各炭素原子は4個の価電子を使って隣接する4個の炭素原子と共有結合で強く結びついていて、正四面体を基本単位とした立体網目構造を形成しています。これによってダイヤモンドはとても硬く、電気を通しません。ダイヤモンドににた構造にケイ素、炭化ケイ素があります。

黒鉛>黒鉛の炭素の同素態の一つで、各炭素原子は隣接する3個の炭素原子と共有結合して、正六角形を基本単位とした平面網目構造をしています。この平面同士は比較的弱い分子間力で積み重なっています。このため黒鉛はこの平面方向に沿って薄くはがれやすく、軟らかいです。また各炭素原子あたり1価の価電子はこの平面内を自由に動くので黒鉛は良く電気を通します。

ケイ素>ケイ素は炭素と同様14族の元素でシリコンと呼ばれています。ケイ素原子は4個お価電子をもっていて、ダイヤモンドと同様に、正四面体を基本単位とする立体網目構造をもった共有結合の結晶です。

二酸化ケイ素>二酸化ケイ素はケイ素原子の周囲に4個の酸素原子が共有結合でつながり、SiO4の四面体を基本単位とした立体網目構造をもった共有結合の結晶を形成しています。よって二酸化ケイ素は硬くて融点が高いです。二酸化ケイ素はシリカと呼ばれています。

ケイ素の結晶は金属のような光沢があって電気伝導性は金属と非金属の中間の性質をもっている。このような性質をもっている物質は半導体と呼ばれているぞ。

・まとめ

  • 共有結合 原子同士が価電子を出し合い、互いに電子を共有して作られる結合。
  • 電子対と不対電子 原子の最外殻電子のうち2個で対になった物電子を電子対、反対に対になっていない電子を不対電子。
  • 共有電子対と非共有電子対 原子間で共有された電子対を共有電子対。反対に最初から電子対になっていて、原子間で共有されていない電子対は非共有電子対。
  • 共有結合結晶 多数の原子が共有結合でつながった結晶。代表例としてダイヤモンド、黒鉛、ケイ素、二酸化ケイ素

・演習問題

①次の各分子について以下の各問いについて答えよ。

(ア)HCl(イ)H2S(ウ)N2(エ)CH4(オ)NH3

(1)共有電子対を最も多くもつ分子を記号で選べ。

(2)非共有電子対を最も多く持つ分子を記号で選べ。

(3)(ア)から(オ)の各分子の立体構造を答えよ。

共有電子対がわからなかったら上に移動して復習にゃ。

解答(1)(エ)、(2)(ア)、(3)アから順に直線形、折れ線形、直線形、正四面体、三角すい形

②次の()に適切な言葉および数値をいれよ。

 ダイヤモンドと黒鉛は炭素の(1)であるが、電気伝導性が大きく異なる。ダイヤモンドでは、炭素原子の価電子が(2)個とも(3)結合に使われ、(4)を基本単位とする立体網目構造を形成していて、電気を(5)。黒鉛では、炭素原子の価電子の(6)個が(3)結合に使われ、(7)を基本単位とする平面網目構造を形成していて、残りの価電子(8)個がこの平面に沿って自由に動くので、電気をよく(9)。また、この平面構造同士は比較的弱い(10)で積み重なっているので、黒鉛はこの平面に薄くはがれやすく、軟らかい。

少し難しかったかにゃ?

解答(1)同素体(2)4(3)共有(4)正四面体(5)通さない(6)3(7)正六角形(8)1(9)通す(10)分子間力

-化学基礎

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