化学基礎

中和滴定について

投稿日:7月 26, 2020 更新日:

今回は中和反応について解説するにゃ。中和反応の計算や中和滴定の方法などがおもなトピックだにゃ。

・中和反応とその量的関係について?

 中和反応ではH+1個とOH1個が結合してH2O1個が生成します。よって酸と塩基がちょうど反応するとき酸の出すH+の物質量[mol]と塩基の出すOHの物質量[mol]は等しくなります。

酸から生じるH+の物質量=塩基から生じるOHの物質量

 実際の計算のときはモル濃度c[mol/L]、体積v[mL]、a価の酸と、モル濃度c'[mol/L]、体積v'[ml]、b価の塩基がちょうど中和するとき以下の式が成り立ちます。

上の公式を使って問題を解いてみたいとおもいます。濃度のわからない希硫酸20mLを完全に中和させるのに0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30mL使用しました。この希硫酸の濃度を求めて見ましょう。まず希硫酸の濃度をz(mol/L)とおきます。硫酸は2価の酸です。公式にあてはめると

2×z ×(20÷1000) =1 × 0.2 × (30÷1000)よって計算するとz=0.15mol/Lと答えが導かれます。

体積の所はLになおすために1000でわっているにゃ。

・中和滴定とは?

 中和反応における酸と塩基の量的関係を利用して、濃度のわかっている酸または塩基から他方の濃度を求める操作を中和滴定といいます。例えば、濃度のわからない酸を求めるとき、一定体積の酸の水溶液を容器に量り取り濃度が分かっている塩基の水溶液(標準溶液)を少しずつ滴下し、中和反応が完了したときどれぐらいの標準溶液の体積を要したかを確認し、中和反応の公式から未知の酸の濃度を計算して知ることができます。中和反応が完了したときの点を中和点とよびます。中和点のpHは7になるとは限らないです。中和が完了したかどうかはpH変化の範囲内に変色域をもつ指示薬を加えておくと、指示薬の色の変化で中和点を確認することができます。次に中和滴定に使用する道具について説明します。

  • ホールピペット 一定体積の試料を量り取る器具。
  • ビュレット 滴下した容積の体積を量る器具。滴下前後の目盛りの差から滴下された溶液の体積を求める。
  • メスフラスコ 一定濃度の標準溶液を作るときか、試料を一定の割合で希釈するときに用いる器具。
  • コニカルビーカー 中和反応を行う器具。三角フラスコでも代用可。

実際に塩酸と水酸化ナトリウムで中和滴定を行うときはとても丁寧に実験を行わないと計算がくるうにゃ。

・滴定曲線とは?

 中和滴定では酸に塩基または塩基に酸を加えていくのでその水溶液中の水素イオン濃度[H+]が増減していくのでpHも増減します。このときのpHの値と加えた酸(もしくは塩基)の量の関係を示した曲線を滴定曲線といいます。次に滴定曲線のかたちにはどのようなものがあるか3つあるので説明します。

一つ目は強酸を強塩基で中和するときの滴定曲線です。強酸を強塩基で中和すると中和点のpHは7となります。中和点付近でpHが大きく変化するのでpH指示薬はフェノールフタレインまたはメチルオレンジの両方が使えます。

二つ目は弱酸を強塩基で中和するときの滴定曲線です。弱酸を強塩基で中和すると中和点は塩基性側に偏ります。よってpH指示薬は塩基性側に変色域をもつフェノールフタレインを使います。

三つ目は弱塩基を強酸で中和するときの滴定曲線です。弱塩基を強酸で中和すると中和点は酸性側に偏ります。よってpH指示薬は酸性側に変色息をもつメチルオレンジを使います。

・まとめ

  • 中和反応の量的関係 酸から生じるH+の物質量=塩基から生じるOHの物質量。
  • 中和滴定 中和反応における酸と塩基の量的関係を利用して、濃度のわかっている酸または塩基から他方の濃度を求める操作。
  • 滴定曲線 pHの値と加えた酸(もしくは塩基)の量の関係を示した曲線

・演習問題

問題1.3.0mol/Lの塩酸50mlをちょうど中和するのに0.20mol/Lの水酸化カルシウム水溶液は何mL必要か?

水酸化カルシウムは2価の塩基だよ。50mlを0.05Lに変換して計算してかんがえるのもよいにゃ。

解答1.水酸化カルシウムの体積をZ(L)とおく。1 × 3.0(mol/L) × 0.05(L) = 2 × 0.2(mol/L) × Z(L)→Z(L)=0.375L≑0.38L

問題2.濃度不明の希硫酸を20.0mLとり、0.60mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、25mL加えたら中和点を超えてしまった。さらにこの液に0.10mol/Lの希硫酸を10mL加えたらちょうど中和点に達した。濃度不明お希硫酸のモル濃度を答えよ。

この問題の場合は水酸化ナトリウムを入れすぎたので希硫酸をいれて調整しているみゃ。

解答2.濃度不明の硫酸の濃度をz(mol/L)とおく。

2×z×0.02+2×0.10×0.01=1×0.60×0.025→z(mol/L)=0.325

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