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ルビジウム ストロンチウム イットリウム ジルコニウム(第5周期)

投稿日:6月 14, 2021 更新日:

ルビジウム(Rb)について

ルビジウムは銀白色の金属であり融点が38.89℃と低いので取り扱いに注意しないと空気中で自然発火して溶けてしまう。このルビジウムは放射性同位体がたくさんあるが自然界にはルビジウム87(87Rb)だけである。このルビジウム87はβ崩壊(電子を放出し原子殻が変化する減少)してストロンチウムの安定同位体であるストロンチウム87(87Sr)へと変化する。この特性を活かしてルビジウム87とストロンチウム87の存在比を調べると地球や太陽系が誕生した年代を特定できるようになった。

 ルビジウムは身近なものでは原子時計に使われている。この原子時計はセシウム原子時計ほど正確ではないが比較的誤差が少ないので精密測定機器などに使われている。

分類アルカリ金属
原子量85.4678
地殻濃度90ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点38.89℃ / 688℃
密度 / 硬度1532 kg/m³ / 0.3
酸化数-1,+1
存在場所紅雲母、カーナル石

GPS(全地球測位システム)のある地球上の端末にはルビジウム原子発信器が使われているものもあるにゃ!

・ストロンチウム(Sr)について

単体のストロンチウムは銀白色の金属である。しかし空気に触れることで灰白色の被膜をつくる。また水に触れると激しく反応する。炎色反応では深紅色を示すので硝酸ストロンチウムが赤い花火の発色剤に使われている。ストロンチウムはセシウムの原子時計よりも正確な時計である光格子時計を作ることができる。これはレーザ-によってできた光格子にストロンチウムを閉じ込め原子の振動数を精密に測定するしくみである。

 私たちの身近に活用されているものとして挙げられるのはガラスの添加剤である。ガラスにストロンチウムを添加することでブラウン管や液晶ディスプレイなどからX線を防ぐことができる。

分類アルカリ土類金属
原子量87.62
地殻濃度370ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点777℃ / 1414℃
密度 / 硬度2540 kg/m³ / 1.5
酸化数+2
存在場所ストロンチアン石、天青石など

・イットリウム(Y)について

イットリウムは軟らかいが延性や展性ができない珍しい特徴がある。空気中にさらすとすぐに酸化されて酸化被膜を作る。またアルカリに強く酸に弱い。イットリウムを合金に加えると結晶が緻密になり強度や耐食性があがる。イットリウム化合物はベンゼン環をもった有機化合物にメチル基や水酸基を導入するための触媒として利用したり、光学レンズ、コンデンサーなどに使われている。

 イットリウムは人工ガーネットの材料である。イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)はマイクロ波の電子フィルタとしての働きをして音響エネルギー発信器や変換器などに使われている。

分類遷移金属
原子量88.90584
地殻濃度30ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1520℃ / 3388℃
密度 / 硬度4469 kg/m³ / -
酸化数+3
存在場所ガドリン石、モナズ石、ゼノタイムなど

イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)は効率と出力が高く固体レーザーとして溶接、加工、医療などに幅広く使われているにゃ!

・ジルコニウム(Zr)について

ジルコニウムは銀白色の金属であり常温では化合物質に対して安定だが高温になると水、酸素、ハロゲンと反応しやすくなる。1000℃くらいまで温度が上昇すると酸素を吸着して大きく膨張する。

 ジルコニウムは金属元素の中で中性子を一番吸収しにくいので原子力発電所などで使われる核燃料棒の被膜管として利用されている。しかし高純度のジルコニウムである必要がある。またジルコニウムは高温状態になると水蒸気と反応して水素を発生させる。。福島第一原発事故において水素爆発が起こったがジルコニウムと水蒸気が反応して発生した水素が原因と言われている。

分類遷移金属
原子量91.224
地殻濃度190ppm
色 / 形状銀白色 / 固体
融点 / 沸点1852℃ / 4361℃
密度 / 硬度6506 kg/m³ / 5
酸化数-1, 0, +2 ,+3 ,+4
存在場所ジルコン、バッデリ石など

ジルコニウムの酸化物はジルコニアと呼ばれ、熱膨張性が小さく、温度の上げ下げに強いので耐火物に使われているにゃ。

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