有機化学

アミノ酸とタンパク質

投稿日:1月 22, 2021 更新日:

タンパク質はαーアミノ酸がペプチド結合で鎖状に連結してできたペプチドからできています。今回はアミノ酸とタンパク質を中心に解説していくにゃ!

・αーアミノ酸の構造

アミノ酸はアミノ基とカルボキシ基の両方をもつ有機化合物でこの2つの官能基が同一の炭素原子に結合しているものを特にαーアミノ酸という。タンパク質を構成しているアミノ酸は全てαーアミノ酸です

側鎖に-COOHを持つと酸性アミノ酸、-NH2をもつと塩基性アミノ酸、両方とも持たないと中性アミノ酸に分類される。

・αーアミノ酸の共通した性質達

双性イオンで水に良く溶ける>αーアミノ酸分子中のカルボキシ基とアミノ基は近い位置にあり分子内でHイオンの移動が起こる。よって-COOと-NH3ができ+と-の電荷をもつので双性イオンとなっている。

光学活性あり>グリシン以外のαーアミノ酸は不斉炭素原子が存在するので光学異性体が存在します。

ニンヒドリン反応>αーアミノ酸の水溶液にニンヒドリンの水溶液を加えて温めると青~赤紫色を呈する。これをニンヒドリン反応という。αーアミノ酸の検出に使います。

電離平衡>αーアミノ酸を水に入れると双性イオンとなって溶けますが、Hを加えることで陽イオン、OHで陰イオンになります。

等電点>αーアミノ酸を溶解させた水溶液が特定のpHをとると陽イオン、双性イオン、陰イオンの電荷が全体として「0」になる。このpHを等電点という。等電点はアミノ酸の側鎖によって異なり中性アミノ酸は中性付近に、酸性アミノ酸は酸性側に、塩基性アミノ酸は塩基性側です。

酸性アミノ酸の等電点は酸性(pH3~4)側にありpH=6はそれよりも大きいので陰イオンとして存在しています。塩基性アミノ酸の等電点は塩基性側にありpH6はそれよりも小さいので陽イオンになります。これもしっかり覚えておきましょう。

・様々なαーアミノ酸

・ペプチドについて

2分子のαーアミノ酸は一方のカルボキシ基と他方の分子のアミノ基との間で脱水縮合することができる。このときできる連結部分をペプチド結合という。2分子のアミノ酸が縮合してできた化合物をジペプチドといいます。3分子アミノ酸の場合はトリペプチド、多数のアミノ酸が縮合重合し生じたものはポリペプチドといいます。

連結するアミノ酸の組み合わせが同じ場合でも順序が異なるとできるペプチドは構造異性体になることも知って起きましょう。

・タンパク質について

タンパク質は多数のαーアミノ酸が連結してできたポリペプチド鎖が折りたたまれて複雑な立体構造の分子になった有機化合物である。タンパク質はαーアミノ酸だけからなるタンパク質である単純タンパク質とαーアミノ酸からなるポリペプチドのほか、糖などの他の有機化合物を含んでいる複合たんぱく質に分けられます。

<タンパク質の分類(形状)>タンパク質はその形状からも分類されポリペプチド鎖が球状に丸まった球状タンパク質と何本かのポリペプチド鎖が束状になった繊維状タンパク質に分けられます。

タンパク質の構造について↓

タンパク質の一次構造>タンパク質の一次構造とはポリペプチド鎖におけるαーアミノ酸の配列のことになります。

タンパク質の二次構造>ペプチド結合どうしの間に水素結合ができ立体構造ができます。それがタンパク質の二次構造です。ポリペプチド鎖がらせん状にまいたαーヘリックス構造とジグザグ状に折れ曲がったβーシート構造があげられます。

手書きですいません(´・ω・`)

タンパク質の三次構造>二次構造を作ったポリペプチド鎖はαーアミノ酸の側鎖同士の結合によって折りたたまれ、タンパク質ごとに決まった構造をとります。それがタンパク質の三次構造です。αーアミノ酸の側鎖同士の結合を具体的に上げるとイオン結合、ジスルフィド結合、水素結合です。

・タンパク質の検出方法について

キサントプロテイン反応>タンパク質の水溶液に濃硝酸を加え加熱すると黄色に変化する。続けてアンモニア水を加えると橙黄色になる。この反応がキサントプロテイン反応です。これは側鎖にベンゼン環をもつアミノ酸を含むポリペプチドやタンパク質で起こる反応です。側鎖にベンゼン環をもつのはフェニルアラニン、チロシンと覚えましょう。

硫黄の検出反応>タンパク質の水溶液に水酸化ナトリウムを加え加熱した後、酢酸鉛を加えると硫化鉛の黒色沈殿が生成します。この反応が硫黄の検出反応です。システインが側鎖に硫黄があるのでシステインをもつポリペプチドやタンパク質でこの検出方法が使えます。

ビウレット反応>タンパク質の水溶液に水酸化ナトリウムと硫酸銅(Ⅱ)を加えると紫色になります。このビウレット反応はペプチド結合が2つ以上あると起こります。

・タンパク質の変性と塩析

<タンパク質の変性>タンパク質は熱、強塩基、強酸、重金属イオン、アルコールなどによって分子の立体構造が変化しもっていた機能をうしなって凝固したり沈殿したりする。これを変性という。

タンパク質の塩析>タンパク質の水溶液には多量の塩を加えるとタンパク質が沈殿する現象が見られこの現象を塩析という。

・演習問題

問題()に当てはまる語句を答えよ

アミノ酸は分子内に酸性の(1)基と塩基性の(2)基をもち結晶中では(1)基の水素イオンが(2)基に移動して分子内に正と負の両電荷をもつ(3)イオンになっている。不斉炭素原子をもつアミノ酸には化学的性質には物理的性質はほとんど変わらないが光にたいする性質の異なる一対の(4)異性体が存在する。(5)の存在によりαーアミノ酸はニンヒドリン反応で(6)色を呈する。

水溶液中のアミノ酸は陽イオン、(7)イオン、陰イオンが混ざりあった形で存在している。水溶液中ではこれらのイオンが平衡状態にある、pHの変化によりその組成が変化する。水溶液中におけるこれら平衡混合物の電荷の総和が0になるときのpHをそのアミノ酸の(8)という。

アミノ酸の分子間で(9)基と(10)基が脱水縮合したものを特に(11)結合という。

タンパク質は多数のαーアミノ酸がペプチド結合により結びついたものでありアミノ酸の結合順序や数により様々なタンパク質が生じることで知られている。タンパク質にはペプチド結合以外にも(12)結合のような共有結合、あるいは(13)結合のような弱い結合が含まれることが多く、分子全体が複雑な構造を持っている。

タンパク質は生物組織の中に存在する巨大な分子であり種々の生命活動に関わっている。タンパク質を分解するとαーアミノ酸のみで構成されている(14)タンパク質とアミノ酸以外に糖類、色素、リン酸などを含む(15)タンパク質がある。タンパク質に熱、アルコール、重金属イオン、酸、塩基などを加えると立体構造が変化しもとに戻らないことがある。この変化を(16)という

タンパク質の水溶液に濃硝酸を加えて加熱すると(17)色になりさらにアンモニア水を加えて塩基性にすると(18)色に変化する。この反応を(19)反応という。(19)反応はタンパク質を構成するアミノ酸成分として広く存在している(20)やチロシンに含まれるベンゼン環やニトロ化されることによる。

  1. カルボキシ
  2. アミノ
  3. 双性
  4. 光学
  5. アミノ
  6. 赤紫
  7. 双性
  8. 等電点
  9. カルボキシ
  10. アミノ
  11. ペプチド
  12. ジスルフィド
  13. 水素
  14. 単純
  15. 複合
  16. 変性
  17. 橙色
  18. キサントプロテイン
  19. フェニルアラニン

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